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2009年07月22日

H.A.C.Sと患者満足の関係 医療経営の王道 vol.13

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.13
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第13号━2009/07/22━━━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪H.A.C.S≫ Hospital All Connected System による経営改善
■■      〜これだけで患者さんもお医者さんも集まる仕組みづくり!〜
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発行元:リアルメディカル株式会社
サイト:>> http://www.realmedical.co.jp/

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目次

(1) H.A.C.Sと患者満足の関係
(2) 地域連携 訪問活動編 「先入観を無くし訪問活動の幅をひろげる」
(3) 病院経営力 養成講座 会計編「決算書の読み方 -貸借対照表編-」

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(1)H.A.C.Sと患者満足の関係
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通常、医療機関と患者の関係は患者さんが医療機関を訪れること(初訪)から始まりま

す。知人からの紹介やクチコミサイト等で情報収集をしていたとしても、患者さんにとっ

ては初めての経験になります。

急病や「がまんの限界」で初訪することになれば、受付の対応が悪かろうが、例え医師

の態度が横柄でも診察途中で帰ってしまうことはほとんどありません。しかしながら再来

(再診)するでしょうか。また知人に紹介するでしょうか。


医療機関の集客は広報活動や患者さん同士の口こみに依存しており、いわゆる営業とい

う要素は希薄となるため、患者獲得にいたる主導権は患者さん側にあると言えます。一方、

医療に対する患者さんの知識は十分ではなく、治療の成果(アウトカム)を正しく評価す

ることは困難です。つまり患者さんが医療機関を選択する際、自身あるいは他者のアウト

カムは決定的な判断材料にはなりえず、医療機関本来の商品である医療の価値と患者獲得

には有効な相関関係があるとは言い切れません。

実践的な患者獲得の指標としては、やはり“患者満足”に焦点を合わせる必要がありま

す。医療機関と患者さんの評価に関する関係は非常に不安定であり、患者さんの感じ方次

第と言えます。例えば腹痛に対して鎮痛剤を処方しても、結果次第で名医(=満足)とヤ

ブ医者(=不満)に区分されてしまいがちです。痛みが治まった原因が薬の効果なのか経

時的によるものかといったことは一切顧みられず、患者さんの主観に大きく左右されるの

です。このように不安定かつ不確定なものが患者満足です。

初訪時の対応は、その患者さんの印象のベースとなる点で重要です。「良い医療機関」

との認識を与えることが患者満足に直結します。後々、少々の不満があっても印象ベース

が高ければ問題として表出することはありません。逆にあまりにも満足度が低ければ初訪

限りということにもなりかねません。


患者満足は、いわばパズルのようなものと言い表すことができます。小さな満足を積み

重ね、組み合わせることで完成します。一つの失敗が画竜点睛となることもあります。医

師・看護師、受付・会計の対応や業務精度、アメニティ等がピースのひとつひとつです。

H.A.C.S(Hospital All Connected system)もそのようなピースのひとつだと言えます。

初訪前の問合せ電話対応、初訪後のフォロー(再診等)をきっちり行うことで、パズルを

完成に導きます。


文責:  都司 博直
E-mail: tsuji@realmedical.co.jp


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(2)地域連携 訪問活動編 「先入観を無くし訪問活動の幅をひろげる」
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訪問活動は地域連携における重要な業務のひとつと言えます。
“顔の見える連携”には必要不可欠な活動です。

訪問活動をする際には、紹介・逆紹介実績などを分析したり、診療体制、医療資源などに
応じて、どこへ訪問するかターゲットを決めていると思いますが、ターゲットに見落とし
はないでしょうか?「訪問先が少ない、見つからない」と悩んでいませんか?「現状では
不十分、新規訪問先を開拓したい」と考えていませんか?

そんな時に試していただきたいのが、“先入観を無くした訪問活動”です。

“先入観をなくした訪問活動”とはどういった訪問活動?!

以下、いくつか例を挙げてみます。

■例1 回復期リハビリテーション病院の場合

一般的に、ターゲットにする訪問先は急性期病院、診療科は脳卒中科や整形外科。
しかし、同地域で回復期リハビリテーション病院が多い激戦区では、他の医療機関も同じ
ように考え訪問活動をしていますから、競争は厳しくなります。
そこで“先入観を無くす”です。

〜先入観=ターゲットは急性期病院、診療科は脳卒中科や整形外科〜

上記先入観を無くして考えてみましょう。ターゲットは急性期病院だけでしょうか?他科
にも対象疾患があるのではないでしょうか?
例えば、整形外科診療所で腰椎圧迫骨折と診断された患者さん。独居の方で自宅療養は心
配と判断されれば、安静目的入院で受入ができます。ということは診療所もターゲットに
なります。また、開腹術後の患者さんも対象とされていますから、外科もターゲットにで
きるはずです。
以外に、急性期病院では回復期リハビリテーション病院における外科系の対象疾患を十分
に把握できていない場合があります。

■例2 優位性のある医療資源を有する病院の場合

〜先入観=県外から患者は来ない〜 
優位性のある医療資源を有しているのに、活動エリアを限定してないでしょうか?隣県に
その医療資源がなければどうでしょうか?あっても地理的に自院のほうが近い地域であれ
ばどうでしょうか?
県境や隣県における医療資源など情報収集や分析をもとに、活動エリアをひろげてみては
どうでしょう。

■例3 療養病床を有する病院

〜先入観=精神病院には受入可能な患者はいない。訪問活動の対象外〜
病院にもよりますが、実際には、問題行動もできない状態(寝たきりの状態)でかつ医療
区分2、3に該当する患者さんが入院している精神病院はあります。
一度、訪問してみて実態を確認してみてはどうでしょうか?精神病院との連携も可能では
ないでしょうか?

“先入観を無くす”ことで、活動の幅は広がります。自院の体制や医療資源、地域の特性
をふまえトライしてみてはどうでしょう。新しい発想は異分野から生まれるということは
よく言われています。
若干ニュアンスは違うかもしれませんが、先入観を無くし、違う視点で考えてみることで
新たな発想=新たな訪問活動につながるのではないでしょうか。

次回は、地域連携 訪問活動編 「診療所へのアポイントなし訪問」についてお話します。


文責:  小田 耕平
E-mail: oda@realmedical.co.jp


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(3)病院経営力 養成講座 会計編「決算書の読み方 -貸借対照表編-」
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病院経営者にとって、「病院の家計簿」ともいえる、決算書の読み方がわかることは非常
に重要です。

これから、決算書の説明をいたしますが、お手元に自院の決算書を用意しておくとわかり
やすくなります。なければ、インターネットで「病院 決算書」と検索すると、公開され
ている決算書が見つかるので、そちらをご参照ください。


決算書には、

・貸借対照表

・損益計算書

・キャッシュフロー計算書

があります。


貸借対照表は、病院の持ち物をあらわしています。

損益計算書は、病院の収支です。

キャッシュフロー計算書は、病院の開設形態によって、あったりなかったりしますが、現
金の流れをつかむためのものです。


上記3つが、基本的な財務3表といわれており、病院の経営状態をつかむために、なくては
ならないものです。


まず、貸借対照表の読み方をご説明いたします。

左側の資産の部を見てみると、預金や保険請求をして、まだ振り込まれてきていない保険
未収入金、病院の土地・建物などがあります。

これが、病院の「持ち物=資産」です。


次に、右側を見てみると、負債・資本の部とあります。

これは、「持ち物=資産」を購入するのに、どのようにお金を準備したのかということを
あらわしています。

他人からお金を借りてお金を準備したのであれば「負債」になり、自分でお金を用意した
のであれば「資本」になります。負債は返済義務があり、資本は返済義務はありません。


最近、病院の破産について、よく耳にしますが、これは返済義務のある負債が多くなって、
お金が返せなくなるからです。

ですので、負債の金額には注意しておく必要があります。

特に、流動資産と流動負債のバランスには気をつけておかないといけません。

流動資産は1年以内に入るお金で、流動負債は1年以内で出るお金です。流動負債が流動資
産を超えている場合は、注意しておかないとお金が足りなくて破産というケースもありえ
ます。

貸借対照表では流動資産と流動負債のバランスを見るところからはじめてみてください。


長くなってきましたので、今回はここまで。次回は損益計算書の読み方を解説いたします。


文責:  木村 晃久
E-mail: kimura@realmedical.co.jp


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