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2005年07月01日

【医療経営の王道】リアルメディカルニュース vol.2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第 2号━2005/07/01━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
■■      〜これだけで医療経営が変わる!質が変わる!皆が変わる!〜
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  発行者:経営革新コンサルタント 内田敏行
      リアルメディカル株式会社 代表取締役
  サイト:>>http://www.realmedical.co.jp/

(1) ごあいさつ
(2) TCCTによる経営改善    どうやって実現するの?
(3) 医療経営の王道      適正医療ってなんだろう?
(4) 個人情報保護Q&Aコーナー
(5) おすすめ情報
(6) 編集後記
                                      ※TCCT・・・Total Care Coodinate Team
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(1)ごあいさつ
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こんにちは、医療経営の王道を探求している経営革新コンサルタントの内田敏行と申
します。どうぞ宜しくお願いします。

配信をまぐまぐに移行して、先日、第一号をお送りしました。
今回は、その続きです。

お気軽なメルマガが多い中、結構ヘビーな内容ですが、
きっと医療経営にお役に立てると願って書いています。

医療機関の経営がよくなるためのエッセンスを、出来る限りオープンにしていきたい
と思います。誌面には限りがあって図解も難しいですが、コンサルタントがなかなか
教えてくれないポイントをずばりご紹介します!

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(2)≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
     ■〜 どうやって実現するの? 〜■
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■診療報酬のことご存知ですよね?

 釈迦に説法と思いつつ診療報酬のお話を少し。
 診療報酬が決定される上で各種の分類がされています。
 大きく分けると、次の様になっていますね。

  1. 初診・再診料
  2. 入院料(基本・加算)
  3. 指導管理料
  4. 在宅医療
  5. 投薬料
  6. 注射料
         :
         :  などなど

 診療報酬の話をすると、何か上手いことを言って儲けてやろうって魂胆があるよう
 に誤解されて、ちょっと煙たい表情をする人が多くて困ってしまいます(^^)
 でも、ここがポイントなんです。

 では、なぜこの診療報酬が大切なのでしょう?

 やはりここには、国が力を入れて対策をしたい疾病や処置に関して、種々の特典が
 盛り込まれているのです。当然、患者さんの回復にとって重要なことにも特典が盛
 り込まれています。
 お金儲けのために保険点数が決められているのではなくて、わが国の疾病構造や
 社会情勢から力を入れるべき項目に、重点的に点数配分がされているわけです。
 そしてそれは患者さんにとっても、非常に有り難いことなんですね。

 では、これをベースにしっかり持った上でTCCTの話に入ります。

■どうやって実現するの?
 
 先回、患者さんを取り巻く医療資源を効率的に配分・投入して、
 総合的に患者さんへのケアをコーディネイトしましょうと申し上げました。

 今回は、どうやって実現するのか?がテーマです。

 では、簡単な質問です。
 慢性疾患で通院されていた患者さんが、転んで骨折。そして入院されたとします。
 当然、整形外科に入院ですね。さて入院中、内科的診察や診療はなされてますか?
 返信不要ですから(^^)、チラッと自院のことを思い浮かべてください。

 全員の入院患者さんに対する既往症のケアは十分ではないですよね。
 「いえいえ、うちは絶対大丈夫」という方にはすみません。
 ただ本当に、全員に漏れなく対処するのは難しいと思います。
 だって、旗振り役がいないですもんね。そういう役割って今まで無かったですし。

 他にも、緊急を要するリハビリなんかも意外と漏れていることが多いようです。
 発症時点から14日以内、30日以内、90日以内の早期リハの話。
 「可能な範囲で完璧です」って言われることが多いのですが、よくよく考えると、
 「あ、確かに漏れてるのかも・・・」とおっしゃっられることがあります。

 ポイントは入院時点からではなく発症時点となっていることです。
 入院、検査、そしてその結果が分かってからでは、もう何日か過ぎています。
 リハが必要だと判断した時点からすぐに対応してあげれば、患者さんにメリットが
 あるばかりでなく、ちゃんと加算点数がもらえます。

 この空白の数日が、経営に与えるインパクトは意外と大きいのです。
 そういう入院患者さんって月に何人くらいいらっしゃるでしょうか?
 またそういう患者さんに、毎日、早期リハが実践されてますか?
 (毎日ってのもポイントですよ!)

 こういう例は、探せば幾つも見つかります。
 たまたま上手く出来ている月もあれば、そうでない月もあります。
 上手くできていないときは、医療資源が十分に提供されていないことになります。

 先ほども出てきましたが、やはり旗振り役の存在が大きいと思います。
 早期リハを実践するといっても、先生からの指示が無いと動けません。
 でも先生も人間です。全知全能ではありません。
 全てを記憶して、全てに神経を集中させて、漏れなく指示するなんて・・・
 そんなことは、超ウルトラCです。だからこそ旗振り役が必要なんです。
 旗振り役は一人とは限りません。特定の部署がすべきとも限りません。
 自院の現状に合わせて、適任の部署とスタッフを組み合わせることが重要です。

 次回は、旗振り役を決める前の、自院の医療資源の洗い出しについてです。

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(3)医療経営の王道

   王道=コロンブスの卵?いえいえ、それがベーシックな解決策です。
   今回は、適正医療ってなんだろう?がテーマです。
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■おさらい

  経営を良くするために強引に収益確保やコストカットに走るのではなく、
  本質的には適正医療を追求すると自ずと収益も確保できるという点が重要です。

■適正医療ってなんだろう?

  いろんな定義がありますが、私達の場合は次のように考えています。

    現在の医療環境において、患者さんが必要とする内容を
    もれなく提供できていること。逆に不必要なことは提供しないこと。

  漏れなく各種のケアを提供することです。
  そのためには、どうしても成り行き任せでは上手く機能しません。
  自院・院外の医療資源を、総合的にコーディネイトする必要があります。

  つまりTCCTを実践することになります。
  (TCCTって何だって?それは上段の(2)TCCTによる経営改善をご参照!)

■では何が経営改善のポイントになるか?

  先回、以下の式をご覧頂きました。

   収入 = 患者数 × 1人1日当たりの収入
   費用 = 人件費+材料費+経費+委託費+減価償却

  そして、この中で積極的にコントロールすべき部分はどこでしょう?と
  お尋ねしました。

  では答え。キャッシュフローに直接影響する部分をコントロールすべきです。
  ということは、減価償却費以外の部分を全てコントロールすべきなんです。
  (減価償却費以外はコントロールできると言った方がいいかもしれません)

  収入では・・・・患者さんの一日単価
  費用では・・・・人件費、材料費、経費、委託費

  大切なのは、これらのコントロールの仕方、考え方です。
  医療の本質に沿った方法で、上手くコントロールするのがTCCTだとお考え下さい。

■収入のコントロール

  具体的なことをお伝えするには、今回だけでは誌面が足りませんので、
  回を重ねて少しずつ紹介したいと思います。

  「患者さんの一日単価を上げる。」
  これだけをみれば、おいおい、まるで何でもかんでも診療報酬を貰うのか?と
  勘違いしてしまいそうです。

  実は違います。
  TCCTで適正医療を実践すると、本来提供すべき内容が増えるはずです。
  本来すべきことが漏れなく実践され始めると、自ずと平均単価も上がります。
  それと、患者さんの単価分布表を作り、自院の単価構造を知ることです。

  この単価分布表については、次回ご説明しましょう。
  これには、地域連携室、診療情報管理室などとのチームワークが必要です。
  次回のお楽しみです(^^)

■費用のコントロール

  これも回を重ねて少しずつです。どうかお付き合いくださいね。
  費用のコントロールで、思いつくのは、、、、

   合理化、値下げ、省力化・・・・

  しかも対象は、人件費・材料費・経費・委託費です。
  材料費や各種の経費は、色々手を打ってコストダウンをせねばなりません。
  医療品質にも医療経営にも、影響の大きいのは人件費です。
  しかし、人件費のコントロールは、どうしても給与カット、昇給停止
  リストラというような暗いイメージがあるので鬼門のように扱われますよね。
  そしてまた、なかなか実行できない。でも、しなくちゃならない。

  ここは考え方を少し変えましょう。相対的に人件費が下がればいいわけです。
  何と比較して「相対的」なのでしょう?
  それは、今までのアウトプットと比較するのです。

    アウトプット・・・・現状の仕事の成果 or 仕事量

  現状の人件費で、今まで以上のアウトプットが出せれば、
  相対的に人件費が下がったことになります。実は、材料費や経費も同じです。

  現状のアウトプット以上に、成果がでれば、相対的にコストカットしたのと同じ。
  レントゲンなどの設備稼働も、こういう視点で効率的に運用することが必要です。

  ここで単純な仕組みを一つ。
  あなたの病院では、朝一番から外来患者さんが、ドッと来られますか?
  ぜひ、外来患者数の時間分布を把握してください。
  ピークタイムとオフタイムがありますよね。重要ポイントはオフタイムです。
  オフタイムの時間をもっと有効に使ってもらいましょう。

  外来に配置されていても、病棟関連の業務を手伝ってあげるなど、
  いろんなことが可能なはずです。
  こういう旗振りも役も必要ですね!

  次回は、もう少し詳しくこれらをお話しして、実例もご紹介したいと思います。
  どの程度の効果が現れたのか?楽しみにしてくださいね。

  あ!そうそう、アウトプットを増やすといっても、日誌やレポート、論文の本数
  ではないですよ。実務・実践でのアウトプットです(^^)

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(4)個人情報Q&Aコーナー
                                    編:実践医療経営コンサルタント 重廣 健

    今回は、外来・受付業務編・その2
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Q1 再来受付機で患者が入力する画面上の情報が、周囲の人に見えるは問題か?

A1 再来受付機の情報で診療科などは、個人情報保護法の対象にはなりません。
   隠す事が容易であれば実施することが望ましい。受付機画面を隠すことは、実
   運用上難しいでしょう。もし、個人情報が表示されるのであれば、見えないよ
   うに工夫する必要があります。 後ろや横から見えないように囲いをしたり、
   操作中はすぐ後ろに並ばないように待機場所を指定する等、何らかの工夫の検
   討が必要と思われる。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q2 患者への面会はどの程度制限すべきか?

A2 あらかじめ入院患者に来院者(面会者)がきた場合の対応について確認してお
   く必がある。特に面会したくない来院者については確認し、実際に来院した場
   合は患者の病状や病室の場所も含めて回答しないようにする必要がある。
    面会申し込み患者へ入院患者情報を見ることが出来ないように対処し、氏名
   等告げられた時は入院病棟、病室は開示することを入院時に文書にて説明して
   おき、入院患者に面会者があった場合連絡し確認を取ること等ルール化し患者
   の承諾を取るようにすることも1つの方法である。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q3 検査予約の件で、至急患者に連絡する必要がでた場合、職場に電話をかけても
   よいか? その場合、病院名を名乗ってもよいのか?

A3 緊急事態でない限り、本人が不在の場合には、電話番号と個人名だけを伝え、
   用件は伝えずに、連絡をいただきたいことを伝えるにとどめることがよい。


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(5)おすすめ情報

    お奨めセミナー、お奨めWEBサイトなどを紹介するコーナーです。
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  講師:  弊社副社長 重廣 健

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 会場:  大阪 梅田スカイビル22階 スカイビル会議室Fルーム
      福岡 林英ビル1階 Aホール

 会費:  12,600円(税込)   各会場とも定員50名です。
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 詳細:  詳細情報とお申込みに関しては
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(6) 編集後記
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貴院に役立つヒントになれば幸いです。
こんなテーマを扱ってほしい!という希望もドンドン送ってくださいね。

とにかく答え一発!明瞭で分かりやすい方法で、経営改革・経営改善を成し遂げてい
ただきたい。そう願って発行してゆきます。
今後も応援よろしくお願いします。

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発行人: 経営革新コンサルタント 内田敏行
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