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2010年05月26日

チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 ◇高齢者専用賃貸住宅 ◇病院経営力養成講座

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第22号━2010/5/26━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ チョーかんたんシリーズ 〜BSC編 最終回〜 ≫
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□□     他2題 ◇高齢者専用賃貸住宅
■■         ◇病院経営力養成講座 収益改善編「説明編」
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(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
(2)高齢者専用賃貸住宅
(3)病院経営力養成講座 収益改善編「説明編」

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(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
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≪ 前回のおさらい ≫
・重要成功要因を見つけること。
・重要成功要因を評価する業績評価指標を設定すること。

〜最終回〜 今回のテーマ ≪BSCの実行≫

 チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)>入門は今回で最終回と
なります。5回にわたってチョーかんたんにBSCをご紹介してきましたので、こ
こでは小難しい理論はさて置いて、日々しなければならないこと、注意すべき
ことを平易にお話しいたします。

 さてBSCを運用する上で一番大切なことは「みんなのもの」であるというこ
とです。決して経営陣、管理職群だけのものではなく、職員一人一人それぞれ
にBSCがあり、運用していかなければなりません。このためには上意下達に押
しつけられるのではなく、自ら進んで取り組む必要があります。職員全員が一
斉に取り組むには非常な困難が予想されます。「理解しようとしない者」「反
対する者」など抵抗勢力が目白押しです。焦らず急がず、ゆっくりと時間をか
けて抵抗勢力を説得し、BSCに取り組む意義を理解させなければなりません。
BSCは組織を強力にするツールですが、それは組織が一枚岩であることが条件
です。一人の落伍者も出すことなく全員参加を達成するためには、トップの弛
まない情熱と忍耐をもって臨むことが重要です。場合によっては「昇給」「賞
与(業績給)」といった誰にでも理解しやすいインセンティブを示すことも一
手となるかもしれません。

 運用する上では、職員一人一人がBSCを毎日意識し続けることが重要になり
ます。いったん構築した後、期間がすぎるまで放ったらかしではまったく意味
がありません。日々の取り組みや達成度を目に見えるようにする(可視化)こ
とが重要です。貴院の職員は、業務日報をつけているでしょうか。部署や部門
の日報はつけていても、個々の日報となるとどうでしょう。簡単な日報をつけ
るだけで可視化することができます。また、できるだけ他人あるいは他部署の
進捗もわかるようにすべきです。BSCは組織全体に強い影響力を発揮します。
個人-個人間、部署-部署間の関わりなしには成果を発揮することはできません。
部署内であれば朝礼・終礼を利用して報告しあうことができるでしょう。部
署・部門間では院内のIT設備を利用すれば比較的簡単にオープン化することが
できます。
 このように意欲を高いレベルに保つことは容易ではありません。誰しも慣れ
るに従い意欲は低下し、飽きがくるものです。導入時に関心をいかに高めてお
くことの他に、興味を持たせ続ける工夫が必要です。輝かしい未来と誉ある今
を語る必要があります。職員を褒めること、業績の将来予測とその見返りです。
決して暗雲漂う未来や失敗・ミスをあげつらってはいけません。組織の末端に
なればなるほどやる気を失ってしまいます。

 BSCについて、定例の面談の場を設けることも必要です。定期的に評価を行
い、軌道修正(BSC、業務共に)を組織レベルで行います。重要成功要因に間
違
いはなかったか、目標達成指標は適正かなど、業務の進展に伴う見直しが発生
するはずです。何事も当初の想定通りにはいかないものなので、柔軟に対処す
る必要があります。ただし、安易な修正は方向性・一貫性・継続性の障害とな
ります。修正を要求する原因が、当初の想定と「なにが」「どのように」「ど
れぐらい」変わったかを明確にした上で、正しい判断をくださなければなりま
せん。修正に当たっては密室ではなく、できるだけ多くの人的視点を組み込む
ことが重要です。

 BSCが何なのか、その目標は何か。導入、運用に際する注意点は何か。チ
ョーかんたんにお伝えしてきました。このシリーズを通してBSCに興味を持ち、
導入を検討されることがあれば、老婆心ながら追加のアドバイスがあります。
 1 BSCに詳しい人にたずねてください。
 2 でも、言いなりにはならないでください。
 3 本を読むなどして、十分に勉強してください。
 4 導入すると決めたら、責任をもって先頭に立ってください。
 5 焦らず、あわてず取り組んでください。
これで成功の確率がぐんとアップするはずです。

文責:都司 博直

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(2)高齢者専用賃貸住宅
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高齢者専用賃貸住宅(以下、高専賃)とは、高齢者の入居を拒まない住宅(高
齢者円滑入居賃貸住宅(以下、高円賃))のうち、平成17年『高齢者の居住の
安定確保に関する法律(以下、高齢者住まい法)』の一部改正により、入居対
象を高齢者に限定した賃貸住宅として制定されました。平成19年5月には、医
療法人の付帯業務拡大として、適合高齢者専用賃貸住宅(以下、適合高専賃)
などの、一定の条件をクリアした賃貸住宅の整備・運営が可能となっています。

高齢者専用賃貸住宅は、言葉のイメージから"高齢者にやさしい賃貸住宅"と思
われがちですが、バリアフリー等の要件や、住宅の面積や設備の基準はありま
せん。高専賃の多くは、高齢者の日常生活に配慮した住宅になっていますが、
これは義務ではなく、運営者(事業者)の企業努力なのです。すなわち、築年
数の経過した手狭な住宅であったり、バリアフリー等の加齢対応構造でなくて
も、高齢者専用賃貸住宅として登録をすることができるため、イメージに反す
るなど、契約後や入居後のトラブルも発生しています。

今回、高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)の一部改正に
より、平成22年5月19日から高齢者向けの賃貸住宅の登録制度に登録基準が
設けられ、1戸あたりの床面積を原則25平方メートル以上と定め、各戸にトイ
レや洗面、台所などを備えることを高専賃の運営者(事業者)に義務付けました。
床面積の他、構造や設備の基準、賃貸住宅の賃貸条件も設けられています。ま
た、入居者が受けることが可能な生活支援サービス等の情報提供も充実してい
ます。しかしながら、バリアフリー等の要件は追加されませんでした。

高専賃は物件によって内容やサービスは千差万別です。
高齢者住宅財団のホームページで、条件をクリアした登録住宅が確認できます
ので、一度ご覧になってはいかがですか?
(http://www.senpis-koujuuzai.jp/special/)

文責:新矢 健二

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(3)病院経営力養成講座 収益改善編「説明編」
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目標設定編、DPC編で主に単価をあげるための、収益改善の方法を述べてきま
した。レセプトを丹念に見直すことで、問題点が見えてくるというのは、病院
経営をしていたら誰でも知っていることでしょう。

でも、実際は診療報酬のルールが多岐にわたっており、医事担当者も得手不得
手の診療科があるので、100%適正に保険請求できている病院は稀です(業務量
的に難しい場合もありますが・・・)。

また、問題点が見つかっても、病院の組織が大きくなってくると、改善目標を
立てても思い通りに動かないケースが多々あります。

動かないケースで多いのが、「説明不足」です。

たとえば、医学管理料を算定するようにと伝えても、算定件数が増えない、も
しくは言ったときしか増えない病院さんが多いです。これは、算定するにあた
っての「背景の説明不足」と「結果の説明不足」が原因です。

レセプトを調べて医学管理料の算定件数が少ない場合、同じ病気で来院しても
Aという患者さんで算定していて、Bという患者さんで算定していないというバ
ラツキが発生していることが多いです。バラツキを抑えて、医療サービスを均
質化させるために算定するといったような、「背景」の説明を行うと現場で受
け入れられやすいです。

そして、その結果、どれだけ算定件数が増えたのかといった「結果」の説明
(フィードバック)をするようにすれば、継続的に改善していく組織になって
いきます。


今回は、わかりやすくなるよう簡潔に書いているので、簡単にできそうにも見
えますが、思い通り動かせないケースが大半だと思います。その時は、再度、
「説明不足」に陥っていないか、振り返ってみてください。結構、「説明不
足」の罠に引っ掛かっていることが多いです。

文責:木村 晃久

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