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2010年06月22日

事務職員の教育シリーズ 他2題 ◇児童虐待〜医療機関の取り組み〜 ◇病院経営力養成講座

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.23
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第22号━2010/6/23━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ 事務職員の教育シリーズ ≫
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□□     他2題 ◇「児童虐待」医療機関の取り組み
■■         ◇病院経営力養成講座 収益改善編「管理体制」
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(1)『生産性向上にむけて、事務職員の教育を見直しませんか?』
(2)「児童虐待」医療機関の取り組み
(3) 病院経営力養成講座 収益改善編「管理体制」

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(1)『生産性向上にむけて、事務職員の教育を見直しませんか?』
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〜序章 総務課長さんってどんな人? 〜


よく言えば「縁の下の力持ち」、普段は日蔭の存在である事務職員にスポット
を当てるシリーズです。

医療機関の規模によって様々ですが、医療機関には事務職員がつきものです。
事務職員なしに、病院運営は立ちいかないといっても過言ではありません。
ところがこの事務職員、専門職から見ると「何をしているのかよくわからな
い」あるいは「○○係の人でしょ?」ぐらいの認識でしかないことがしばしば
あります。
このように思われがちな事務職員ですが、自身よくわかっていないことすらあ
ります。
「何をしているの?」とたずねた時「○○といろいろ・・・」と答えが返って
くるようでは「○○」以外はよくわかっていない(○○以外は片手間?)と思
った方がいいのかもしれません。

さて、医療機関の事務部門にはどんな部署があるでしょうか。
おおまかではありますが、ざっとおさらいしてみます。

 総務 ・・・ 給与計算、勤怠管理、社内文書の管理 など
 人事 ・・・ 採用・退職事務、教育 など
 経理 ・・・ 日々の出納管理 など
 財務 ・・・ 資金繰り など
 用度 ・・・ 材料・消耗品等の購入、物品の供給 など
 企画 ・・・ 経営戦略の立案と管理 など
 広報 ・・・ 広報誌・HPの作成 など
 医事 ・・・ 診療報酬の計算、患者さんの会計窓口 など
 地域連携 ・・・ 他院との紹介・逆紹介の窓口 など
 診療情報管理 ・・・ 診療に関する記録の適正管理 など

書き出してみると、意外にも多くの業務があるものです。
もっともすべての部署が単独である必要はなく、複数の業務を兼務する場合が
ほとんどです。
例えば総務と人事が一体化していたり、用度と経理を同じ事務職員が行ってい
たりします。
医療機関によってはこの他の部署を設けている場合もあります。

これらのうち医事、地域連携、診療情報管理は少し毛色が異なります。
その業務内容は専門色が濃く、医療機関によってはコメディカル部門に属する
場合もあるほどです。
所属する職員には、診療報酬や医療・福祉制度に関する高度な知識が求められ
ます。


ここらで自院のことを振り返ってみましょう。

 総務課長はどんな人でしょうか?
 経理係りの人はどんな人でしょか?

医療機関の特徴の一つとして、中途採用者が多いことが挙げられます。

 総務課長は新卒採用者でしょうか?
 経理係りは新卒採用者でしょうか?

もし中途採用者ならば、どんな職歴を経ているでしょうか?
医療機関での勤務経験はどれぐらいあるのでしょうか?
さらに!
入職後、どんな教育を受けてきたでしょうか?

なにも中途採用者が悪いと言っているわけではありません。
中途採用者には、経験という優位性があります。即戦力になり得ます。

ところが即戦力をいつもまでも即戦力に留めているのもまた、医療機関の現実
です。
要するに「パッチを当てる」ような使い方しかできていないのです。
穴を埋めているだけですから、目の前の業務以外に目を向けることはほとんど
ありません。
「私の業務ではない」の一言で片づけてしまいます。
このような事務職員の一言に悩む医療機関は数多いのではないでしょうか。


 なぜこのようなことになってしまったのか!?


このシリーズでは「事務職員の教育」について考えていきます。

文責:都司 博直

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(2)「児童虐待」医療機関の取り組み
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児童虐待防止法が施行されて10年経ちますが、全国の児童相談所での相談対
応件数は年々増加しています。児童虐待が発覚するケースの中には、医療機関
での診察時というものがあります。記憶に新しいのは、今年1月に東京都で歯
科医が受診した子供の異変に気付き通報したケースがあります。

今春、神奈川県保険医協会では、県内の医科・歯科開業医(約5800ヶ所)に児
童虐待を判断するためのチェックシートを配布したそうです。チェック項目以
外に緊急度に応じた対応方法、保護者が警戒しないよう説得するための例文な
どが明記されているそうです。
他にもホームページ内に子育て中の保護者対象のサイトを作成したり、パンフ
レットなどを無料配布するなど虐待防止に向けた取り組みもしています。

横浜市立大附属市民総合医療センターでは、全職員対象に虐待について学ぶた
めのeラーニングを開始したそうです。また、院内に虐待対応の委員会を立ち
上げ、医師・看護師・MSWなどで、虐待時の発見や虐待ケースへの対応に取
り組んでいます。

ちなみに虐待防止委員会を全国に先駆けて設置した医療機関は、北里大学病院
と言われています。

上記のように医療機関において児童虐待に対応するための取り組みが進み始め
ています。子供のため地域のため、みなさんの医療機関においても、できるこ
とから始めてみてはどうでしょう。
委員会の立ち上げ、育児者への情報提供、地域への啓蒙活動などなど。
今後、診療報酬などにもりこまれる可能性もあるかもしれません。

参考までに
東京都がチームで行う児童虐待対応マニュアルを作成しています。
ポイントがコンパクトにまとめてあり、各医療機関で活用できるよう加工可能
な形式となっています。

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・「チームで行う児童虐待対応 
   病院のためのスタートアップマニュアル」(東京都庁) 

・いい医療.COM(神奈川県保険医協会)横浜市立大附属市民総合医療センター北里大学病院
 
・NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク
 
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文責:小田 耕平

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(3)病院経営力養成講座 収益改善編「管理体制」
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前回の「説明編」で、どれだけ算定件数が増えたかどうかをフィードバックす
るようにすれば、継続的に収益改善につながる行動のできる組織になっていく
と説明しました。

経験あると思いますが、ほめられるとやる気が出て、ほめられた行動を継続す
るようになります。一人だと、これがなかなかできないんですよね。

人間の心理を利用して、組織や行動を変えるといった行動科学と呼ばれる方法
について解説した書籍もありますのでご参考にしてください。

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント


病院の場合、よくあるのは、医療コア側の連携はできているけど、事務側との
連携がいまいちなケースです。今まで、レセプト分析やコンサルティングを通
じて多くの医療機関さんを見てきましたが、組織が多くなればなるほど、連携
がうまくとれていません。

「患者さんを治す!」といった目的は、医療者ならほぼ共通して持っているの
ですが、キチンと請求してお金に換えるといった目的は後回しにされるため起
こる現象です。


連携がうまくとれていない場合、どのようにしたらよいか?

いわばコミュニケーション不足が引き起こしている現象のため、管理しなけれ
ばいけない項目を可視化することで改善することができます。

文章で書くと、「なぁーんだ」となりそうですが、今まで訪問させていただい
た病院で、収益改善につながる本当に情報共有しなければいけない項目が、す
べて可視化されてたケースは少ないです。


■管理体制を強化するために可視化するべきもの(一部)

・患者数の多い疾病の経過管理パス(診療報酬請求用)

・薬剤管理指導料、栄養食事指導料、リハビリテーション料など
 他部署の連携が前提となっている項目の管理シート

・地域連携で入りと出の一貫した管理

・医療機器別の最大稼働件数と現状の件数管理シート


こういったものです。現状、貴院で作成&管理している帳票があるでしょうが、
簡潔にわかりやすく作成することがポイントです。パッと見てわかるようにな
っていないと、見なくなってしまいますからね。


次回からは、実際の収益改善の事例を紹介いたします。

収益改善の余地があるのかどうかチェックして欲しいというご要望がありまし
たら、下記メールアドレスまでご連絡よろしくお願いいたします。


木村 晃久 kimura@realmedical.co.jp

文責:木村 晃久

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