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2009年12月23日

チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 周産期医療について!病院経営力養成講座!

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.18
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第18号━2009/12/23━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 ≫
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□□     他2題 ◇周産期医療について ◇病院経営力養成講座
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(1) チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
(2) 周産期医療について 今できることから始めよう!
(3) 病院経営力 養成講座 収益改善編「ヒアリング編」

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(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
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≪ 前回のおさらい ≫
・Balanced Scorecard(BSC)とは、目標管理シートの一種。
・目標と成果を数値化(定量化)することによって評価を容易にする。

今回のテーマ ≪ 目標設定 ≫

テーマに入る前に、そもそも『目標管理』とはどういうものであるか整理しておきます。
約50年前にPeter Ferdinand Drucker が提唱した管理手法なのですが、このようなことは
あまり重要ではありません。肝心なことは「自らが設定した目標に対して、自ら進捗を管
理し、自ら成果に導く」という概念です。つまり自分自身がどうあるべきか、何をすべき
かを問いかけることが要なのです。自らの問いに対する答えとして行動を起こします。そ
の行動は主体的であり、自らによって管理されます。これが本来の目標管理の意味なので
す。

目標管理が個人の自主性・主体性に依存していることがわかりました。では個人個人は
どのように目標を設定すれば良いのでしょうか。医療はさまざまな職種のチームプレイに
よって成り立っています。個人がめいめいにどんな立派な目標を立てたとしても、組織の
成果につながるとは限りません。例えば、ある医師が入院患者数を20%上げるという目標
を実行したとしても、病棟の看護師サイドにその用意がないとたちまちパンクしてしまい
ます。医師個人の目標の前に、医師や看護師を含めた医療機関(あるいは部署・部門)と
しての大きな目標が必要になります。

目標設定の順番としては、法人または医療機関から部門または部署、チームまたは個人
とトップダウン形式をとります。こうすることによって組織全員の目標のベクトルが定ま
ります。医療機関の目標は部署の目標であり、部署の目標が個人の目標となることによっ
て組織への帰属意識が高まり、主体的な行動が期待できるようにもなります。このように
組織的な垂直方向の整合性と合わせて、部署間あるいは個人間といった水平方向の整合性
を図る必要があります。上位の目標を達成するための微調整やタイミングなど、各間のバ
ランスをとるのです。そうしないとせっかくのベクトルがバラバラに作用してしまい、や
はり思い通りの成果を得ることはできません。

目標の設定には、垂直方向と水平方向という言わば網の目のように整合性を図ることが
大切だということがわかりましたが、このためには何が必要でしょうか。それはトップの
強い指導力です。全ての目標設定の起点はトップなので、まず最初に明確な目標を打ち出
さなければ始まりません。更に以下組織への落とし込みや水平方向の整合性にリーダーシ
ップを発揮する必要があります。BSCにおいてはここが一つのポイントになります。全組
織を一貫する視点、全組織を巻き込み一丸となって取り組まなければならないため、"育
成シート"や"人事考課シート"のように総務課・人事課に任せて良いものではないのです。
もしトップがこの過程を面倒だとお考えになるのならば、BSCの導入は諦めた方がいいで
しょう。形骸化するだけで、誰のためにも何のためにもなりません。目標管理は本人の主
体性に依存しています。トップがお手本を示さないと部下はついてきてくれませんし、そ
の理念が組織に浸透することはありえません。

本稿最後に、トップが意気込みを示さなければならないのは他の管理手法でも同様だと
いうことを申し添えておきます。


文責:都司 博直

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(2)周産期医療について 今できることから始めよう
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日本でのお産は安心・安全でしょうか?!

下記は世界の妊産婦死亡数(/10万出生)です。
■世界平均  400人(250人に1人)
■アフリカ  830人
■ヨーロッパ 24人
■日本    5人
(unicef:開発途上国で極端に高い妊産婦死亡)
上記の数値では日本でのお産は他国と比較すると安心安全であることを示しています。

しかし、
・ハイリスク症例の増加
・分娩施設の減少
・産科医の絶対的不足
などの問題から、「産科医療の崩壊」が叫ばれています。

国も重い腰を上げ医学部の定員増など対策を講じようとしていますが、どれも早期的な打
開策にはなり得ないでしょう。

・地域で妊産婦を支える体制づくり
・職場の妊婦への支援
・妊婦を支える家族への支援 
・市町村の妊産婦への保健指導の充実強化
などなどやるべきことは山積みです。

そして、実行していくには
行政(市区町村・都道府県) 助産所 医療機関 医師会 看護協会 ボランティア 教
育委員会 各職場 助産師・保健師・看護師 母子保健推進委員 臨床心理士 精神科医
などといった周産期医療施設だけではなく、地域全体を巻き込んでいく必要があります。

その地域全体を巻き込んだ取り組みに挑戦しているのが岩手県の周産期情報ネットワーク
「いーはとーぶ」です。

周産期医療情報ネットワークセンターで母体搬送依頼情報の授受などの情報を一元管理し、
市町村も巻き込んだネットワークを構築しています。

ポイントは保健師。
医療機関、市町村と妊婦との架け橋的な役割をしています。

全国の就業保健師数4万191人
(平成18年度厚生労働省保健・衛生行政業務報告結果)
決して多いとは言えませんが、、、

まずは地域の保健師を巻き込んで、
双方向的な情報共有できる関係づくりから始めてみてはどうでしょうか?

ITも日々進歩し、google appsなど活用できるツールも増えてきています。

今、できることから始めてみましょう。

余談ですが、当社では社内での情報共有ツールとして
google appsを活用し下記のようなことをしています。

・資料作成の共同作業
・資料に対するアクセス権限の細かな設定
・オンラインでのプレゼンテーション(チャット可能)
・読者アンケート (集計結果)
・Google ドキュメントでフォルダを使った情報整理&情報発信
・Google カレンダーで社員のスケジュール確認

社外との情報共有にも活用できるでしょう。


文責:小田 耕平

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(3)病院経営力 養成講座 収益改善編「ヒアリング編」
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前回は、収益改善の一歩目として、レセプト分析の切り口について解説いたしました。

病院か診療所かの区分や、病棟の種類、診療科目、病床数などによって、レセプトの特徴
は異なってきます。医療機関の特徴をレセプト分析から把握し、どの機能を強化したら収
益改善へつながるか目途をつけた上で、収益改善のコンサルティングへと入っていくケー
スが多くあります。

その他、収益改善に取り組むにあたって、下記資料を確認させていただくことがあります。

◇資料
・診療行為別集計表
・診療科別(入院、外来)延患者数と医業収入
・診療科別の職員の一覧
・損益計算書


いずれも定量的に、医療機関の状況を把握できるものです(レセプト分析も定量的なもの
です)。


ただ、これだけでは、収益改善を行っていくのは不十分で、本当の実態を把握するために
は、医療機関で働く職員に対するヒアリングが重要になります。

特に医療機関の場合、売上の半分ぐらいは人件費となる(診療所では、人件費の割合が低
くなります)ため、職員の活動状況によって、大幅に売上が変化してきます。

また、医療機関の特徴として、医師1人あたりの売上高が約1億円と言われることからわか
るように、医師次第で病院の売上高が大きく変化します。


ですので、収益改善をするためには医師へのヒアリングが必須となります。

医師へのヒアリングを行っていくにあたって、重要になるステップがあります。


1.医師の診療領域の医療技術について知る

2.医師が取り組みたい医療の方向性を知る

3.病院の方向性を伝える


ヒアリングといっても、一方的に聞くだけでなく、経営トップの責任者が同席の上で、ど
のように病院経営を行っていきたいのか方向性を伝えていくことが重要になります。

また、医師の本音として、医療に没頭したい、技術を向上させたいという思いを持ってい
る方が非常に多いです。その意向を汲み取り、どのような疾患の患者さんを集めて、病院
として売上を増やしていくのかを決めていなければいけません。


○レセプト分析を含む定量分析 + ヒアリング(定性分析)


この2つが収益改善のコンサルティングをはじめるにあたって、基本的な事前診断となり
ます。

文責:木村 晃久

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