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2005年08月25日

【医療経営の王道】リアルメディカルニュース vol.9

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第 9号━2005/08/25━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
■■      〜これだけで医療経営が変わる!質が変わる!皆が変わる!〜
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  発行者:経営革新コンサルタント 内田敏行 リアルメディカル(株)代表取締役
  サイト:>>http://www.realmedical.co.jp/

(1) ごあいさつ
(2) TCCTによる経営改善    どこから手をつけるの?
(3) 医療経営の王道      医療機関の経営課題と環境
(4) 個人情報保護Q&Aコーナー
(5) おすすめ情報
(6) 編集後記
                                      ※TCCT・・・Total Care Coodinate Team
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(1)ごあいさつ
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こんにちは、医療経営の王道を探求している内田です。

今年の高校野球は、初めから終わりまで暗い話題がつきまとい、
選手達の活躍が薄れてしまったような気がします。

ただ、そういう事には関係なく、彼らを見ていると、
不断の努力だけでなく、大ステージに参加することで
飛躍的な成長をしたんだなと感じる場面があります。

如何にして、活躍できる舞台を用意するか?
これはスポーツに限らず、経営TOPに課せられた大きな課題ですね。

モチベーションや動機付けが組織を動かすとも言われていますが、
精神論・根性論といわれるガンバリズムでは必ず限界がやってきます。

やりがいのあるステージを用意することでスタッフも成長するんだと、
今年の夏も感じさせていただきました。
彼らに恥じないよう、私もチャレンジ精神を保ち続けたいと思います。
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(2)≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
         ■〜 どこから手をつけるの? 〜■
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■TCCTは、どこから手をつけるのが良いか?

 実は、こればかりは、各医療機関さん毎に異なります。

 最終ゴールは、「適正医療を追及すれば、自ずと収益も改善する」です。
 ただし、適正医療を追求するターゲットや順番は、組織によって異なります。

 経営TOPの「理念や想い」にも関係してきます。
 実際の医療資源・経営資源にも影響を受けます。

 王道という意味では、どこから手をつけても最終形は同じなのですが、
 我々が直接お手伝いをする場合は、最も効果が現れそうなテーマから着手します。
 また、現状の医療体制を変えることが無いように配慮もします。
 これが医療機関さんによって異なる所以です。

■効果のでるテーマを見つけるには?

 前回までに「TCCTの概要」「旗振り役の役割」など主要な部分をご説明しました。
 患者さんを中心に考え始めると、収益改善に寄与しそうなテーマが沢山あって、
 逆に迷ってしまうことが多くなります。

 そこで、効果の大きいテーマを発見することが重要になります。
 どういう切り口でテーマを見つければよいのでしょうか?

  ・自院の疾病構造
  ・年齢構成(小児、一般、老人の分布)
  ・男女構成
  ・診療行為別集計
  ・診療科別収益状況

 こういう基本的なマーケティングデータを把握することが第一ステップです。
 簡単に言えば、レセプト診断に相当します。

 レセプト診断をして、単なるABC分析や主成分分析だけでは意味がありません。
 そこから、

  ・どの程度の効果が生まれそうか? (効果予測)
  ・何が強みで、何が弱みか?    (SWOT分析、傾向分析)
  ・今後どこから着手すれば効率的か?(優先順位)

 などを導きだせて初めて「テーマを発見した」といえます。
 さらに、的を絞った言い方をすれば、

  ・機会損失を明確にする

 ことがテーマ発見の重要点です。
 データからそこまで読み取る力が必要です。

 コンサルタントに頼ることなく、自力解決を目指される場合は、
 ここまでハッキリとテーマが発見できなくても、TCCTの概要をご理解いただければ
 自院のことですので、大筋のテーマは絞り込めると思います。

 とは言え、自力でレセプト診断をするのは、時間的にも無理が多いと思いますし
 そもそも、第3者の目で診断するところに意味があるので、こればかりは
 信頼のおけるコンサルタント会社に依頼されてもいいかもしれませんね。

 ちなみに、弊社でもレセプト診断をサービス提供しておりますし、
 弊社の上級コンサルタントになれば、1,2回の訪問とヒヤリングで、
 どういうテーマが有効か見抜いてしまいます(これは、私も真似できません)。

 今回、院内の基本的なマーケティングデータを使いましょうとお話しました。
 院外の診療圏の分析も重要ですが、院内の方が何倍も面白いですよ。

 航空機で例えると、
 計器類が少なく、ましてやGPSやレーダを搭載していない有視界飛行のような
 医療機関さんが多いのも事実です。

 TCCTを有効に実践するためにも、
 ぜひとも経営コクピットを備えていただきたいです。
 次回からは、TCCTとは少し違ったテーマに入りたいと思います。

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(3)医療経営の王道

   今回のテーマ : 医療機関の経営課題と環境

   ★王道って、コロンブスの卵?いえいえ、それがベーシックな解決策です。
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■経営課題

 前回の続きですが、経営課題は書き出せましたか?

  ・経過観察を効率よく実践できる仕組みやツールがない。
  ・特定症例など得意分野の向上がまだまだ不足している。
  ・地域連携がうまく機能していない。紹介率が上がらない。
  ・平均在院日数が縮まらない。
  ・入院、外来の平均単価がよくない。
  ・疾病構造などの患者さんの特性データ把握が弱い。
  ・タイムリーな経営データの把握が弱い。
  ・医療機器の稼働率が悪いのではないか?
  ・委託費や人件費の適正化が進まない。
  ・コスト削減が進まない。
  ・患者利便性が低いのでは?
  ・将来の投資、建替え、相続が明確にならない。

 こういった経営課題がピックアップされたのではないでしょうか?


■院内の経営環境

 医療の世界では、何年も前から、そしてこれからも

   「人が人を診る」

 ことは、決して変わらないと思います。

 この仕組みに基づいて、経営環境を把握・管理することが
 経営課題を解決する入口となります。


■医療施設を取り巻く環境資源

 それでは、どういった経営環境があるのでしょう?
 一度、環境資源とそれに関連する管理項目を列記してみましょう。

  ・患者さん         →疾病構造管理、個人情報保護管理
  ・病床           →機能の分化、専門化
  ・人員とその配置      →医師数、コメディカル等の配置
  ・入院基本料        →病棟機能と利用者特性の検証
  ・入院基本料加算      →利用者特性の検証
  ・特定入院料        →病棟機能と利用者特性の検証
  ・施設届出         →機会損失の可能性
  ・医療機器とその配置    →稼働率管理と投資効果
  ・医師研修医制度      →困難な医師確保の対策
  ・電子カルテなどIT化の動向 →投資リスクと期待効果のバランス
  ・少子高齢化        →疾病構造の変化、年金、高齢者雇用
  ・医療費の拡大       →包括請求(DPC)
  ・生活習慣病の管理     →健康フロンティア戦略
  ・病院機能評価       →実質機能と実績評価
  ・医薬分業         →利便性の問題、副作用の問題、利用者負担


■課題と環境の次は?

 課題と環境の全貌が見えてきましたよね。
 でも一番の課題はこれからです。

 全貌を把握した上で、さて何をするのか?具体的にどうしたらいいのか?
 ここが悩みどころです。

 悩みの解決方法は次回にさせていただきます。ごめんなさい(^^;


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(4)個人情報Q&Aコーナー
                                    編:実践医療経営コンサルタント 重廣 健

    今回は、院外および第三者への情報提供編・その1
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Q1 本人の同意がなければ、どんな場合でも個人データを第三者に提供してはいけ
   ないのか?

A1 人の生命、身体、財産の保護のために必要性がある場合で、本人の同意を得る
   ことが困難な場合は、本人の同意を必要としない。
    例1)意識不明で身元不明の患者について、関係機関へ紹介する場合
    例2)意識不明の患者や重度の痴呆性の患者の病状を家族に説明する場合

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q2 病院機能分化が進んでいる中で、病々・病診連携が活発化しているが、患者の
   情報をFAXで送信することはよいか?

A2 一般的には「診療目的」であれば構わない。但し、送信時は、事前に相手に
   電話をして送信し、送信後に確認するなど、慎重に行う必要がある。
   (院内でのルール化)

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Q3 医師が患者を紹介するに当りEメールを使用し情報を送ることは問題ないか?

A3 診療目的のためであれば問題ないが、患者に同意を取ったほうがよい。送信に
   おいては誤送信等十分な注意が必要である。


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(5)おすすめ情報

    お奨めセミナー、お奨めWEBサイトなどを紹介するコーナーです。
    自分たちで開催するセミナ−を案内して欲しいという方はご一報下さい!
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│ マン・インベストメンツ │
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  http://www.maninvestments.com/index.jhtml

  えーと、今回は、私、内田の個人的おすすめ情報です。すいません。
  世界的なヘッジファンドを運用している会社です。1700年後半に設立されて
  東インド会社のころからの社歴があります。貿易のリスクをヘッジするために
  発展した先物取引。それをベースに金融テクノロジーを極めた会社です。
  また、唯一の公開企業(ロンドン市場)です。能書きはこれくらいにして・・・
  実は個人でも投資できることに気付いて、私も申し込みしました。
  年中募集しているファンドも運用しているようですが、
  私は年4回募集されている期間限定(償還が12年くらい)のものを購入しました。
  驚くこと無かれ!目標利回り15%(振れ幅±7%くらい)で、償還時には最悪でも
  元本は確保してくるというので、ネットで探し回ってスイスの代理店を見つけ
  申込みしました。私の購入したファンドの昨年の成績は・・・(^_^)
  もっと知りたい方は、私の個人宛に連絡下さい。
  uchida@realmedical.co.jp です。自分で経験したことは、お伝えできます。
  なお、当社とは関係ない話題ですので、会社の営業はしませんからご安心を(^^)

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│ できる・わかる医療経営塾・トップセミナー │
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  講師:  代表取締役社長 内田敏行

 テーマ: 病院経営の基本と収益改善ポイント
       すぐに実践できる、具体的な収益改善ポイントをお教えします。
       (今回は、7月に大阪・福岡で開催した内容と同じです)

 会期:  大阪 9月13日(火) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)
      福岡 9月15日(水) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)

 会場:  大阪 梅田スカイビル22階 スカイビル会議室 Fルーム
      福岡 林英ビル1階 Aホール

 会費:  12,600円(税込)  各会場とも定員50名です。

 詳細:  詳細情報とお申込みに関しては、以下のURLをご覧下さい。
            http://www.realmedical.co.jp/seminar/

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(6) 編集後記
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今日もコンサルタントは怪しい、胡散臭いと言われてしまいました。
悲しいですが、私も同感・・・。
本当にそれだけ「胡散臭い」人たちが多い。

いい加減な仕事をする人がいるんでしょうね。
しかも、その人が自信満々だったりすると「コンサルって口ばかりで、
結局肝心なことは教えてくれないし、してくれない。」と陰口を叩かれます。

自信満々な人が、故意にいい加減な仕事はしないと思うので、
恐らく、単に実力が無かったり、効果が無かったりするんでしょう。
(でも本人は気付いていない、潔くない、頭を下げない、弁償しない・・・)

だから胡散臭いといわれるのだろうな、と・・・。
だからこそ、ノウハウを形にすべきだと改めて感じました。


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 ただし、引用される場合は発行人までお申し出ください。

*謝辞
本紙を発行するに当たって多くの方の協力をいただきました。
特にアクチャーコンサルティングの代表取締役でもあられ、
ランチェスター戦略 実践指導コンサルタントである岩月康隆氏には
多大なお力添えをいただきました。ここに心より感謝の意を表します。
http://www.accture.co.jp/

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発行人: 経営革新コンサルタント 内田敏行
     リアルメディカル株式会社 代表取締役

発行元: 【医療を文化ととらえ共に育む】
     リアルメディカル株式会社 出版局
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