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2010年01月27日

チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 ◇医療機関におけるブログを活用した情報発信 ◇病院経営力養成講座 収益改善編

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.19
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第19号━2010/1/27━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 ≫
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□□     他2題 ◇医療機関におけるブログを活用した情報発信
■■         ◇病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定編」
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発行元:リアルメディカル株式会社

(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門 
(2)医療機関におけるブログを活用した情報発信
      〜ホームページは「正装」・ブログは「普段着」〜 
(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定編」 

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(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
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≪ 前回のおさらい ≫
 ・目標の設定はトップダウンで。
 ・Balanced Scorecard(BSC)成功の秘訣はトップのリーダーシップ。

今回のテーマ ≪ 戦略 ≫

 前回のおさらいを踏まえて、経営トップが目標を立てました。ここでは分かりやすくす
るため、「医業収入を20%アップ」とします。今春の診療報酬改定がプラス改定になると
は言え、大胆すぎる目標ではないかという指摘はご勘弁いただいて・・・。この目標を受
けて診療部門、看護部門、コメディカル部門、事務部門はそれぞれ目標を立てます。診療
部門なら「患者数を20%アップ」、看護部門なら「病床稼働率を20%アップ」といった具
合です。さらに部門に所属するスタッフ、例えば内科医は「内視鏡検査数を20%アップ」、
外来看護師は「診察待ち時間を20%短縮」といった目標を立てます。さて、これで組織の
末端まで「医業収入を20%アップ」という目標がトップダウンされたわけですが、目標を
達成することはできるでしょうか。

 "絵に描いた餅"という慣用句をよく耳にします。絵面はいいが実際には役に立たないこ
との例えです。先の「医業収入を20%アップ」が、まさに絵に描いた餅なのです。理屈の
上では検査数をアップさせ、患者数をアップさせれば医業収入もアップするはずです。し
かしながら現実には、そう上手くいくことはほとんど稀と言ってもいいのではないでしょ
うか。

 ここでようやく今回のテーマである"戦略"が登場します。なぜ、「目標」が絵に描いた
餅になりやすいのでしょうか。答えはずばり、戦略が無いからなのです。目標を達成する
ためには、そのための手段・方法が必要です。手段・方法を決めるには現状を分析し、未
来を予測しなければなりません。更には、手段・方法の運用、検証、修正というPDCAサイ
クルを繰り返さなければなりません。これら一連の作業を戦略的経営あるいは経営戦略と
言うのですが、本稿において名称は重要ではありません。

 目標の設定と戦略の構築は表裏一体として進められなければなりません。一例である
「医業収入を20%アップ」という目標に対して、次期診療報酬のプラス改定は後押しする
要因にこそなりますが、その改定率はわずか+1.74%であり医業収入を20%アップする原
動力にはなり得ません。診療報酬のプラス改定という外的要因の他にも、「病床数の増
床」「外来診療体制の拡充」「高額機器の導入」といった、大きく医業収入を押し上げる
内的要因を戦略に盛り込まければ「医業収入を20%アップ」という目標を達成することは
できないのです。貴院を取り巻く内・外の要因に目を向け、戦略として練り上げる必要が
あるのです。

 まだ試練は続きます。それでは高額な医療機器を導入すれば医業収入は増えるのでしょ
うか。最新の検査または治療ができるので、患者さんが押し寄せるに違いない。こういっ
た希望的観測に依拠してはいないでしょうか。絶対の予測は望むべくもありませんが、よ
り確証に近い精度での予測が戦略上、大きな地位を占めます。今の日本を眺めてみましょ
う。そこかしこに戦略不足(≒精度の低い予測)の末路を見ることができます。飛行機の
飛ばない空港、水のないダム、雑草の生い茂る埋め立て地と目を覆いたくなるような有様
で、どれも建設ありきの甘い需要予測の結果です。有体に言ってしまえば事業の失敗です。
設定された目標は容易に達成できるものでは物足りず、理想を掲げるだけでは画餅となり
ます。達成可能限界のギリギリまでを追求したものでなければなりません。そのためには
マーケットやシェア、需給状況の変化などの分析に基づく精緻な予測が必要になります。
いくら高額な医療機器を導入したとしても、近隣の医療機関にも同様の機器があれば大幅
な患者数増にはつながらず、対象となる患者さんが少なければそもそも成り立つ話ではな
いのです。

 本稿最後に、戦略の善し悪しが成功への分水嶺となるのは他の管理手法でも同様だとい
うことを申し添えておきます。

文責:都司 博直

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(2)医療機関におけるブログを活用した情報発信
      〜ホームページは「正装」・ブログは「普段着」〜
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医療機関に限らず、情報発信のツールとしてホームページが活用されています。他にも
「メルマガ」「ブログ」「SNS」など様々です。最近では、140文字以内の“つぶや
き”を発信する「ツイッター」も注目され、海外では、米マイクロソフト会長のビル・ゲ
イツ氏、日本では鳩山首相も活用しています。

ここでは、まだまだ根強い人気の「ブログ」を活用している、いくつかの医療機関を紹介
していきます。

・聖隷浜松病院(静岡県)
 「病院ブログ」=病院での出来事・イベント情報
 「やらまい勝っちゃん」=副院長兼看護部長が医療界の動向や日々感じていることなど

・高知医療センター(高知県)
 「高知医療センターの広報ブログ」=研修会やイベント情報、取り組みなど

・岡山旭東病院(岡山県)
 「財団法人 操風会 岡山旭東病院」=イベントや取組みなど

・山田赤十字病院(三重県)
 「クロワ・ルージュの窓」=看護部長が看護部の紹介や日々感じていることなど

・横浜市立みなと赤十字病院(神奈川県)
 「ナースのブログ」=看護師の日々の仕事風景や研究活動、普段の生活など

・旭川赤十字病院(北海道)
 「ある病院長の日記」=病院長が日常何を考え、行動しているかなど

・姫路中央病院(兵庫県)
 「姫路中央病院長の日記」=日々の出来事など

 etc...

上記はほんの一部で他にも多数あります。

上記のようなブログ以外にも医療機関名や名前は公表せず、個人的にブログを開設してい
る医療従事者も数多くいます。

・「救急医療って難しい...」=救急&麻酔専門医のブログ

・「精神科医みるこのヘタレ日記」=精神科医のブログ

・「アメリカ生活 徒然日記」=アメリカの医療機関在籍ナースのブログ

 etc...

「ブログ」は情報発信ツールでもあり、情報収集ツールにもなりえます。
ぜひ、上記以外でも検索して拝見してみてください。

“ホームページは「正装」”“ブログは「普段着」”感覚で、気軽に情報発信することに
より、より幅広い層に受け入れられるのではないでしょうか。

文責:小田 耕平

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(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定編」
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前回、前々回でレセプト分析による定量分析、ヒアリングによる定性分析について、ご説
明いたしました。

収益改善をするにあたって、他にもいろいろと分析する手法はありますが、上記2つの分
析を行うだけで、なぜ収益があがらないのかという課題把握は十分にできます。

あがってきた課題を、
1.収益に対する影響度
2.解決にあたっての実行可能度(職員への負荷レベル)
3.患者さんへの影響度(満足度の変化)
3つの角度から優先順位をつけて、優先度の高いものに関して目標設定(計画作成)をす
ることで、収益改善につなげていきます。

収益改善をするための目標設定にあたって、重要なポイントがあります。それは、「MAX
値を目標とする」です。

たとえば、がん患者が非常に多い病院で、他の同機能、同規模病院と比べて悪性腫瘍特異
物質治療管理料の算定件数が少なかったとします。

ちなみに、悪性腫瘍特異物質治療管理料とは、がんと確定診断された患者さんに腫瘍マー
カー検査をして治療管理をした場合に、月に1回算定できる管理料です。

この場合、目標件数を他病院の平均を超えることにしてしまいがちですが、大切なのはMA
X値です。つまり、がんであると確定診断した患者数が目標数値になります。

このような感じで、収益改善にあたって、重要度の高いと判断した項目については、算定
条件を調べて「MAX値」を算出し目標とします。

多くの病院では、MAX値まで算定できていません。原因は、知識的に算定できるとは知ら
なかったというケースもあるでしょうし、医師やその他のコメディカル職員が忙しすぎる
というケースもあるでしょう。

ただ、MAX値まで、算定できていないということは、患者さんによって医療サービスが提
供されたり、されていなかったりといった、バラツキが生じている可能性があるのです。

医療サービスのバラツキを抑えつつ、収益を改善していくことが、MAX値を目標とする意
味なのです。

文責:木村 晃久

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