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2010年02月24日

チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 ◇看護師不足にドロップキック!◇病院経営力養成講座

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.20
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第20号━2010/2/24━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 ≫
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□□     他2題 ◇看護師不足にドロップキック!男性看護師の躍進!
■■         ◇病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定項目編」
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発行元:リアルメディカル株式会社

(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門 
(2)看護師不足にドロップキック!男性看護師の躍進 
(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定項目編」 

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(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
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≪ 前回のおさらい ≫
 ・戦略なくして成功(目標達成)なし。
 ・戦略を立てるには精度の高い予測が必要。

今回のテーマ ≪ 4つの視点 ≫

 Balanced Scorecard(BSC)をかじると、必ず出くわすのが『4つの視点』です。今回、
いよいよ登場です。

 前回、戦略が大切だということを例を用いながらクドクドと解説いたしました。しかし
ながら、まだBSCを十分に理解できていない(と仮定します)のですから、きっとこう思
われたでしょう。「戦略が大切なのは分かっている。戦略の立て方が分からないから困っ
ているのだ。」と。実にご尤もなお悩みです。今回のテーマ ≪ 4つの視点 ≫は、戦略
立案のツールなのでご安心いただけるのではないでしょうか。

 では4つの視点を解説する前に、簡単な戦略の立て方をご紹介します。前回の「医業収
入を20%アップ」という目標を今回も再利用することにします。

 「医業収入を20%アップ」─┬─ 診療部門の目標「患者数を20%アップ」
              ├─ 看護部門の目標「病床稼働率を20%アップ」
              ・
              ・
              ・

前回は上記のように考えましたが、もう少し細分化してみると

 「医業収入を20%アップ」─┬─ 「医師増員」
              ├─ 「病床稼働率アップ」
              ├─ 「医療事務精度向上」
              ├─ 「広報活動の強化」
              ・
              ・
              ・

あっと言う間に戦略の完成です。増員する医師の数は20%アップに値する人数です。単純
には現在の医師数が10名なら2名増員です。病床稼働率も2割アップです。医療事務では
査定減の取り組みと算定できていない項目の洗い出しです。患者さんを増やすための手段
として広報活動に力を入れます。このように視点を変えながら目標を切り分けていけば容
易に戦略を立てることができるということがわかります。

 さて、BSCではどうでしょうか。

 BSCではもう少し体系が整理されています。<4つの視点>という呼称の通りなので恐縮
なのですが、異なる4つの視点で構成されています。
 【Financial Perspective】         【財務の視点】
 【Customer Perspective】         【顧客の視点】
 【Internal Business Process Perspective】【業務プロセスの視点】
 【Learning and Growth Perspective】    【学習と成長の視点】
"Learning and Growth Perspective(学習と成長の視点)"は「人材と変革の視点」など
と訳されていることもありますが、基本的には同じものです。

 さてここで、何か疑問に思われることはないでしょうか?

 “Balanced Scorecard”は日本語訳されることなく「バランス・スコアカード」と呼ば
れているのに対し、4つの視点は日本語訳されているのです。しかも入門書をはじめ、イ
ンターネットで検索していただくとわかるのですが、4つの視点はほとんど日本語訳での
み表現されており元々の英語表記を見かけることはほとんどありません。意図的なものが
あるかどうかはわかりませんが、英語と日本語の混在がBSCの理解の妨げになっているの
ではないでしょうか。

 横道にそれてしまいました。

 4つの視点についてですが、本連載の主旨に則り「チョーかんたん」に解説します。
【Financial Perspective】         ・・・お金の面(視点)から考える
【Customer Perspective】         ・・・お客さん(患者さん)になって考える
【Internal Business Process Perspective】・・・業務を改めることを考える
【Learning and Growth Perspective】    ・・・職員を教育することを考える
となります。もっと詳しく知りたい、正しく理解したいと思われたなら、解説書をご覧に
なることをお勧めいたします。こむずかしく、難解な言葉を用いて解説されているはずで
す。

 <4つの視点>はあくまでも基本です。5つでも、6つでも構いません。だたし、3つや2
つにするのは考えものです。視点が少なくなってしまうと"Balanced"がとれなくなり、偏
った戦略になってしまうからです。

 本稿最後に、戦略がより多くの視点から立てられているのであれば、BSCにこだわる必
要はないということを申し添えておきます。

文責:都司 博直

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(2)看護師不足にドロップキック!男性看護師の躍進!
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一昔前まで、女性看護師は「看護婦」、男性看護師は「看護士」と名称が違いました。
その後、男女雇用均等法施行により、2001年「保健婦助産婦看護婦法」が
「保健師助産師看護師法」と改正され、2002年に「看護師」と名称が統一されています。

昨今、看護師という職場を志望する男性が増加しています。

男性看護師数は、1998年17,807人、2008年38,028人と倍増しています。
就業場所別でみると、当然ながら病院が一番多いわけですが、訪問看護ステーションや老
人保健福祉施設など福祉系施設などへの就業も増加しています。
(2008年看護関係統計資料集 参照)

男性看護師数の割合は4.4%とまだまだ低いですが年々増加しています。

看護師というと女性というイメージがまだまだ強い職業です。男性看護師に対して抵抗を
感じる方もいるでしょうし、産科婦人科など科によってはさらに抵抗感が否めない場合も
あります。

しかし、現場では男性看護師だからこそ力が発揮できる場面もあるはずです。
例えば、オペ場や救急といった体力が要求される部署。また単純に男性の方が安心すると
いう患者さんもいます。精神科や福祉施設など男性看護師が対応したほうがよい場面もあ
るでしょう。

看護師不足が叫ばれている現在、現場のスタッフ、人事担当者ともに、看護師=女性とい
う先入観に囚われないことが大切になってきています。すでに男性看護師の採用に積極的
に取組んでいる所もあります。男性看護師による女性看護師とは違う視点や考え方を取り
入れることで、より柔軟な看護を提供できるでしょう。

ちなみに、すでに男性看護師が在籍している施設では、男性看護師採用へ効果的にアピー
ルできるはずです。まだまだ女性が多い職場へ飛び込んでいく男性看護師にとって、先輩
がいることはたいへん心強いはずです。

医療機関の多くのホームページで、看護部のページがあります。その中で、男性看護師の
ページも作成している病院があります。男性看護師をアピールしていく広報活動も今後、
活発になっていくかもしれませんね。

筑波大学附属病院のホームページ内に男性看護師のページがあります。
「つくばナースHOMME」
※ちなみに「HOMME(オム)」とはフランス語で男性という意味だそうです。

就職難などといった社会情勢もあり、今後ますます男性看護師が看護師という職場で躍進
していく可能性があるのではないでしょうか。

文責:小田 耕平

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(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定項目編」
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前回、目標設定するときに、悪性腫瘍特異物質治療管理料を例にあげて、MAX値を目標に
すると説明しました。

経営に与える影響度が大きい項目から目標設定をするとよいのですが、多くの病院の収益
改善に関わる中で、よく出てくる目標設定項目についてお伝えいたします。


1.患者さんの病名がMAX値になるタイプ

上記で紹介した、悪性腫瘍特異物質治療管理料など医学管理料関連の項目。
特定疾患治療管理料や栄養食事指導料、心臓ペースメーカー指導料や薬剤管理指導料、退
院リハビリテーション指導料など。

医師が忙しかったり、医事がチェックできていなかったなど理由はいろいろありますが、
対象疾患の患者さんに対して算定できていないケースが結構多いです。


2.占有している時間がMAX値になるタイプ

手術室、医療機器など。

手術室の場合は、手術台帳から手術時間を拾い出し、1時間ごとに使用割合を出します。
午前中が使われていなければ、なぜなのか理由を調べて、手術件数を増やせないか検討す
るようにします。

医療機器については、1件あたりの検査、診断時間などをヒアリングし、実際に使われて
いる件数との乖離を調べていくようにします。


3.活動量が制限されていてMAX値となるタイプ

リハビリなど。

理学療法士や作業療法士、言語療法士などのセラピスト1人につき、1日6時間(18単位)
の制限があります(上限は8時間)。セラピストの人数と単位数をかけることで、算定で
きる上限の単位数がわかります。

制限よりも実際のセラピストの活動量が少ないようなら、その理由を調べて対策をたて
ることで収益改善を行うことが可能です。


医療経営をしていく上で、診療行為ごとに請求できる金額(点数)が決まっているため、
自由に単価を変更することはできません。しかし、逆に言うと、診療報酬点数表で定めら
れている上限までなら請求することが可能なのです。

日頃、カルテから、レセプトに置き換えて、一つ一つの診療行為を請求点数に積み上げて
いると、俯瞰することを忘れてしまいがちです。自院の持っている医療資源をフルに活用
して、収入にきちんと置き換わっているか調べるためにもMAX値を調べて目標にすること
は重要なのです。

文責:木村 晃久

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