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2005年08月03日

【医療経営の王道】リアルメディカルニュース vol.6

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第 6号━2005/08/03━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
■■      〜これだけで医療経営が変わる!質が変わる!皆が変わる!〜
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  発行者:経営革新コンサルタント 内田敏行 リアルメディカル(株)代表取締役
  サイト:>>http://www.realmedical.co.jp/

(1) ごあいさつ
(2) TCCTによる経営改善    組織的に管理するには?
(3) 医療経営の王道      平均在院日数の目標設定
(4) 個人情報保護Q&Aコーナー
(5) おすすめ情報
(6) 編集後記
                                      ※TCCT・・・Total Care Coodinate Team
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(1)ごあいさつ
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こんにちは、医療経営の王道を探求している内田です。

先日公開された「医療計画の見直し等に関する検討会」の中間まとめ(案)は、ご覧に
なられましたか?http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0711-7.html

全体を通じて、自治体が中心となって、数値目標を設定して、患者さんを中心とした
医療体制を構築する方向性が明確になってきたなぁと感じました。

生活習慣病を中心とした慢性疾患の経過観察を日ごろから確実に行なって、
重症度が増さないように管理する。そして、数値目標と実績が、明確に評価の対象と
なってくるのだろうと思われます。

急性期・慢性期にかかわらず、このメルマガを通じて、
患者さんを中心として医療資源を適切に配分し、漏れのない収益をあげながら、
健康増進にも寄与できればと思います。

ぜひ、一人でも多くの方に、このメルマガをご紹介下さい!

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(2)≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
         ■〜 組織的に管理するには? 〜■
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■おさらい

 先回までの内容をまとめますと、

  ・旗振り役の設置(地域連携室と診療情報管理室など)
    今後、旗振り役のことを、コーディネイターと呼ぶことにします。
  ・これらの部門には、医師も管理者として関わり、病院全体で情報共有する。
  ・自院の疾病構造を知る。 → 自院の主要疾患を知る。
  ・自院の主要疾患に関して、定期的に実施すべき経過観察項目を洗い出す。
  ・対象患者数(母数)と実施数を毎月カウントする。

■疾病構造を知る方法は?

  ・レセコンが、そういう情報を出力できる場合があります。
  ・レセコンに、そういう機能がなければ、薬剤の投薬料もしくは購入量から
   おおよその主要疾病が推定できます。

    投薬料÷服用量/日 = 延べ投薬日数

    述べ投薬日数÷30日= 該当疾患の推定患者数

■対象疾患ごとの経過観察項目

  今回は、外来をメインにお話します。

  ・対象疾患ごとの経過観察項目を、先生に相談して決めていただきます。
   例えば、診察は毎月するが、○○検査と△△検査は何ヶ月に1回など。

  ・これで「外来診療パス」が出来上がります。
   例えば、

    【高脂血症】←自院の主要疾病についてドクターを相談して作成します。
    ----------------------------------------------------------------------
    管理項目                                  4  5  6  7  8  9 10  11 12 
    ----------------------------------------------------------------------
    1.1 医師による診察                        ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 
    1.2 投薬                                  ○    ○    ○    ○    ○ 
    1.3 薬剤師よる服薬指導                    ○(その後、薬剤変更時随時)
       :
       :
    2.1 計画的治療によるチーム医療            ○       ○       ○      
       (コーディネイターによる管理)
    2.2 複数医師による複眼的診療体制          ○       ○       ○      
       :
       :
    5.1 栄養士による食事管理(栄養指導)        ○    ○    ○    ○    ○ 
       :
       :
    6.1 検体検査項目の設定
       (1) CBC,CRP,GLU,,,,検尿一般・・・   ○    ○    ○    ○    ○ 
       (2) 負荷心電図                         ○                ○
       (3) 腹部エコー                            ○                ○
       :
       :
    ----------------------------------------------------------------------
    ※あくまで例です。実際には詳細な項目まで設定します。

■組織的に管理するには?

 この外来パスを患者さんにお渡しして、情報を共有しましょう。

   ・月1回は先生に診てもらうこと。
   ・何月頃に、どんな検査をするか?
   ・食事の指導も定期的に診てもらえる。

 といったことが共有できると、積極的に参加してもらいやすくなります。
 しかも、通年でやるべき項目がハッキリしますので、コーディネイターが
 定期的に管理すれば漏れもなくなります。

 この外来パスは、一部は患者さんに、もう一部はカルテにはさみます。
 コーディネイターが、これらの実績をチェックして実績管理を行ないます。
 また、複数医師とカンファレンスをするときもコーディネイターが調整します。

 外来パス通りに経過観察しているか?や、
 患者さんの状態に応じて、経過観察項目の調整が必要か?なども、
 皆とのカンファレンスの際に、コーディネイターが調整・相談します。

 経過観察項目が出来ていない場合は、
 コーディネイターになった方は、その原因を調べて下さい。

   (1) 正当な理由がある未実施なのか?
   (2) 単なる漏れなのか?
   (3) 誰かの勝手な判断による未実施なのか?

 (2)(3) の場合は、心を鬼にして是正を要求するのも役目です。
 一定水準以上の適正医療を患者さんに提供するには大切なことです。

■入院の場合は?

  次回は、入院の場合を考えてみましょう。

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(3)医療経営の王道

   今回のテーマ : 平均在院日数のはなし

   ★王道って、コロンブスの卵?いえいえ、それがベーシックな解決策です。
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■平均在院日数の短縮をめざす場合

  平均在院日数に限った話ではありませんが、
  医療従事者の皆さん!もっと院内にマーケティング手法を導入してみましょう!
  例えば、

   母数をつかむ・・・対象疾患の患者数は?
            60歳以上、70歳以上の患者数は?
            40歳以上の女性患者数は?
            これらの通年変化は?       etc.

   単位辺りの量・・・1人辺り、1病棟辺り、1日辺り、1週間辺り etc.

  この様な指標に置き換えると、
  管理が非常に簡単で、実績も明瞭に把握できます。
  日々、もしくは週単位での目標修正も可能になります。

  平均在院日数も同じです。
  3ヶ月平均を使って、計算結果を眺めていても
  どうにもならない気がしてきます。

  では、単位辺りの量に換算してみましょう。
  説明のために、次の様な想定をします。

      条件                        現状
      --------------------------------------------------
   200床の一般病院             平均入院患者数   170床
   1日外来 400名               1日外来          400名
   医師数  25人                医師数            25名
   目標:平均在院日数 21日     平均在院日数      27日
   --------------------------------------------------

  平均在院日数の式をみてみましょう。

   平均在院日数=在院患者延日数÷{(新入棟患者数+新退棟患者数)÷2}
            ↑             ↑
            直近3ヶ月         直近3ヶ月

  この式を1日あたりに変換します!

   平均在院日数=1日平均在院患者数÷{(新入棟患者数+新退棟患者数)÷2}

  これに数字を当てはめ、式を順に変形していきます。

    目標21日= 170人 ÷{(新入棟患者数+新退棟患者数)÷2}

    (新入棟患者数+新退棟患者数)÷2=170÷21

    新入棟患者数+新退棟患者数=16.2

  毎日、入院と退院の合計が16.2人必要です。
  ここから、先生1人辺りの目標値の設定が可能です。

    目標入退院人数16.2 ÷ 医師数25 = 0.65

  毎日0.65人の入退院、
  すなわち1週間に入院もしくは退院で 約5人が必要です。

  連携が進んで入院が増えてくる場合は、
  退院だけをしっかり管理することです。
  先生1人あたり、1週間に患者さん2,3人を退院させらるよう頑張って
  いただくことになります。

  この様に考えることで、週単位の目標設定ができました。
  平均在院日数は、急に努力しても変化しません。
  毎日、毎週の積み重ねが必要な経営指標です。
  今回の様に、週単位、一人単位に換算すれば、精神論的な目標ではなく、
  明確になった数値目標が容易に立てられます。

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(4)個人情報Q&Aコーナー
                                    編:実践医療経営コンサルタント 重廣 健

    今回は、家族対応編・その1
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Q1 痴呆症状があって本人が家族への情報提供を拒んだが、別の機会に家族より情
   報提供を求められた。どうすべきか。また、提供しないことで介護に支障をき
   たすと思われるが、どのように対応すべきか。

A1 医師が認知症と判断し、家族への開示が相当と判断した場合には開示して問題
   ない。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q2 患者に3親等までは答えてよいと承諾を受けているが、どのような方法で確認
   すべきか。

A2 何親等かどうかは、戸籍以外には確認することが困難な為、承諾の受け方は、
   具体的な氏名等で受けることがよい。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q3 患者の意識がない状態の時に、親族を名乗る方から田舎から出てきたと言って
   患者の状態を聞かれた場合、どう対応すればよいか。

A3 本人の同意が取れない状況である場合、本人との関係を確認し、必要な範囲で
   情報を提供することは可能。本人の意識が回復次第、誰に対してどのような情
   報提供を行ったかを説明する必要がある。

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(5)おすすめ情報

    お奨めセミナー、お奨めWEBサイトなどを紹介するコーナーです。
    自分たちで開催するセミナ−を案内して欲しいという方はご一報下さい!
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┌───────────────────────────────────┐
│ おすすめメルマガ 大逆転ができる★弱者戦略発想法★ランチェスター戦略│
└───────────────────────────────────┘
  http://www.mag2.com/m/0000156117.html

  ランチェスターの法則は、経済界では普遍の法則となりつつあります。
  高度経済成長期には、社会人の必須科目とも言われた頃がありましたが、
  一時下火になっていました。
  それが、ここ数年、改めて見直されてきています。
  マーケティング活動の基本中の基本として、ぜひご購読下さい。
  医療界でも必ず使えるオーソドックスで強力な法則です。

┌──────────────────────┐
│ できる・わかる医療経営塾・トップセミナー │7月開催は大好評でした!
└──────────────────────┘皆さん有難うございます!
  講師:  代表取締役社長 内田敏行

 テーマ: 病院経営の基本と収益改善ポイント
       すぐに実践できる、具体的な収益改善ポイントをお教えします。
       (今回は、7月に大阪・福岡で開催した内容と同じです)

 会期:  大阪 9月13日(火) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)
      福岡 9月15日(水) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)

 会場:  大阪 梅田スカイビル22階 スカイビル会議室 Fルーム
      福岡 林英ビル1階 Aホール

 会費:  12,600円(税込)  各会場とも定員50名です。

 詳細:  詳細情報とお申込みに関しては、以下のURLをご覧下さい。
            http://www.realmedical.co.jp/seminar/

      多数の方から、出張セミナーの依頼をいただきました。
      この場をかりて心より御礼申し上げます。有難うございました。
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(6) 編集後記
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7月のセミナーは、意外と好評でした。というのは、中身重視で、一切の無駄話はし
ない。すなわち、気の利いた話もせずに、オーバージェスチャーもなく、とにかく、
中身一本で進めました。参加していただいた方は、つらいかもなぁと思いながらも
従来とは違ったパターンの試行の一日だったわけです。

少々緊張した雰囲気が流れていたので、皆さんお疲れだったかもしれませんが、
出張セミナーを依頼されたり、とにかく弊社に行ってみたいとお電話いただいたり、
何だか非常に良い感じです。本当にありがとうございます。

9月も開催しますので、是非周りのお知り合いの方にお声掛け下さい。
宜しくお願いいたします。

なお、忌憚のないご意見をいただけたら幸いです。
ご意見は⇒< magazine@realmedical.co.jp >までどうぞ!
個人宛は⇒< uchida@realmedical.co.jp >までどうぞ!
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 ただし、引用される場合は発行人までお申し出ください。

*謝辞
本紙を発行するに当たって多くの方の協力をいただきました。
特にアクチャーコンサルティングの代表取締役でもあられ、
ランチェスター戦略 実践指導コンサルタントである岩月康隆氏には
多大なお力添えをいただきました。ここに心より感謝の意を表します。
http://www.accture.co.jp/

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発行人: 経営革新コンサルタント 内田敏行
     リアルメディカル株式会社 代表取締役

発行元: 【医お良を文化ととらえ共に育む】
     リアルメディカル株式会社 出版局
     http://www.realmedical.co.jp/
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