ホーム > メールマガジン 医療経営の王道 > チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 ◇講演会開催における注意点&開催手法 ◇病院経営力養成講座

2010年03月24日

チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 他2題 ◇講演会開催における注意点&開催手法 ◇病院経営力養成講座

【医療経営の王道】リアルメディカルの経営改善ニュース vol.21
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第21号━2010/3/24━━
□□
■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪ チョーかんたんシリーズ 〜BSC編〜 ≫
■■
□□     他2題 ◇講演会開催における注意点&開催手法
■■         ◇病院経営力養成講座 収益改善編「編」
□□
───────────────────────────────────
◇◇ 毎月、当社のメールマガジンを読んでいただきありがとうございます。
 
◆◆ アンケートフォームを設けています。
◇◇ ぜひ皆様の忌憚のないご意見をいただけましたら幸いです。
◆◆ −−−−↓アンケートへのご協力お願い致します↓−−−−−−−−−
メールマガジン「医療経営の王道」 読者アンケート(No.21)
───────────────────────────────────
発行元:リアルメディカル株式会社

(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門 
(2)講演会開催における注意点&開催手法 
(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定項目編」 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(1)チョーかんたん! <Balanced Scorecard(BSC)> 入門
----------------------------------------------------------------------
≪ 前回のおさらい ≫
 ・4つの視点で考えると簡単に戦略を立てることができる。
 ・視点の数は任意だが、少なくしてはいけない。

今回のテーマ ≪業績評価指標≫

 Balanced Scorecard(BSC)入門もいよいよ佳境に入ってきました。どんど
んそれらしい言葉か登場してきます。今回登場するのは「重要成功要因」と
「業績評価指標」です。

 まずは「重要成功要因」ですが、簡単に言ってしまうと、うまくいくために
一番重要なことは何か? ということです。山登りを例に説明します。ある山
に登ろうとした時、目標(=成功)は頂上を制覇することだとします。山登り
の成否を決める要因は様々あります。登山ルート、パーティー(グループ)、
装備あるいは根性だったりするかもしれません。もちろん全てが重要で、どれ
一つを欠いても山頂に至ることはできないでしょう。これが成功要因です。す
でにお気付きかもしれませんが、山登りと一口に言っても様々です。世界に名
だたる名峰へのチャレンジかもしれませんし、ピクニックかもしれません。登
ろうとする山、季節、時間等によって成功要因の順番は入れ変わります。その
中でナンバーワン、一番上位にくるものが重要成功要因になります。厳冬季の
登山であれば「装備」が重要成功要因となるかもしれませんし、山頂で楽しく
お弁当を食べるピクニックであれば「パーティー(気の合う仲間)」が重要成
功要因ともなりえるのです。一つに決めかねるのであれば重要成功要因は複数
でもかまいません。

 次に「業績評価指標」ですが、これは数値などの定量的な目標のことです。
小学生の頃、新学期が始まるたびに目標を立てませんでしたか。「成績を上げ
る」や「忘れ物をしない」などです。これらを「算数のテストで80点をとる」
「忘れ物は一週間に3回まで」としたものが「業績評価指標」の考え方です。
算数のテストは100点ではいけません。達成不可能(もちろん可能かもしれま
せんが)なものではなく、現実的に達成可能な数値にする必要があります。同
様に40点でもいけません。低すぎる目標は、業績の評価には不十分だからです。

 話を簡単にするあまり、少し抽象的になってしまったかもしれません。

 前回の「4つの視点」とあわせて「重要成功要因」「業績評価指標」を整理
したいと思います。目標は従来どおり、「医業収入をアップする」とし、それ
ぞれの視点ごとにまとめてみます。

●財務の視点
病院の収入は、患者さんから直接支払われる分と保険等からの支払いに大きく
分かれます。前者に対する重要成功要因は「未収金をださない」、後者では
「返戻・査定されない」です。業績評価指標はそれぞれ「未収金額は年間 ○
○○円まで」、「返戻率 ○○%、査定率 ○○%」になります。

●顧客(患者さん)の視点
患者さんはなぜその病院を選んだのでしょうか。病院に対する信頼、快適な診
察環境、紹介されてなどの理由があるでしょう。つまり「何かあったらまた来
たくなる」が重要成功要因なのです。患者さんの気持ちを計る業績評価指標は
「患者満足度 ○○%以上」となります。

●業務プロセスの視点
外来診察の効率を上げることを考えてみます。外来では診察の他にも検査や処
置などがあり、その都度待ち時間が発生します。待ち時間は患者さんの苦情の
種になるばかりでなく、業務の効率を落とすことにもつながります。患者さん
への対応や確認に手間がかかるからです。重要成功要因は「外来患者さんの診
察をスムースに行う」、業績評価指標は「待ち時間 ○○分以下」です。

●学習と成長の視点
以前から言われているように、医療はサービス業の側面を持っており、お客さ
ま(患者さん)サービスを意識した接遇が必要とされています。このような意
識をスタッフに植え付け、接遇のレベルを向上させるには「研修会の実施」が
欠かせません。「研修会参加率 ○○%」を業績評価指標に掲げることができ
ます。

以上は、あくまでも簡単な例です。実際には各部門、各自のレベルまで、より
具体的に落とし込んでいく必要があるのでこれほど簡単にはいかないでしょう。
自院に適した「重要成功要因」「業績評価指標」を設定してみてください。

文責:都司 博直

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(2)講演会開催における注意点&開催手法
----------------------------------------------------------------------
全国津々浦々、多くの医療機関が講演会などを開催しています。

講演会といっても内容や開催手法は様々です。

・講師について−自院の職員 or 外部から招聘

・会場について−自院で開催 or 地域の会場を借りて開催(市民ホールなど)

・内容について−講演のみ or 講演 + 実技指導 など

・対象について−医療従事者のみ or 一般の方のみ or どなたでも可 など

それぞれの医療機関が試行錯誤しながら開催していることと思います。

今回は講演会開催における注意すべき点と開催手法について紹介したいと思い
ます。

まず、注意すべき点ですが細かい点を挙げるときりがありませんので、自身の
経験もふまえて2点紹介します。

@対象をしぼる
一般の方を対象にしているのに、内容が医療従事者向けであれば、参加者はほ
とんど理解できずに帰路につきます。そして次回講演会への参加へは消極的に
なる可能性があります。みなさんの中にも、一度は講演会に参加してみて講演
内容に違和感を覚えた経験があるのではないでしょうか。

対象を医療従事者にするのか一般の方にするのかは重要です。
講師の方にも対象に応じて講演内容を考えていただく必要があります。

A会場は自身の目で確かめる
プロジェクターを使用する場合に重要なのが会場の確認です。特に昼間に開催
する場合は、暗幕があるのか、照明で調整可能なのか確認しましょう。会場内
が暗くできず、スライドが見えないなんていうことのないように。
経験談になりますが、地域の婦人会から講演会開催を依頼された時のことです。
口頭で会場の確認をしていたのですが、当日会場へ行くと暗幕がなく日差しが
よくはいりスライドが全く見えませんでした。慌てて厚い画用紙や新聞紙を窓
一面にガムテープで貼って対応したことがあります。
会場に関しては、自身の目で確認することをおすすめします。

また、プロジェクターを使用する際には多くがパワーポイントなどでスライド
を作成すると思いますが、背景色や文字色にも注意しましょう。組み合わせに
よっては見づらいことがあります。こちらも事前テストで自身の目で確認する
ことをおすすめします。

次に開催手法についてですが、実例をもとに2例紹介します。

@シリーズ化&共催−高知医療センター(高知県)

『高知の医療を考える公開講座』シリーズとして、これまでに「高知のがん医
療を考える公開講座」、「高知の周産期医療を考える公開講座」などといった
形で開催しています。
対象も医療従事者に絞り、院内講師による一般講演と県外から招聘した外部講
師による特別講演の2本立てで開催されており、毎回150名前後の参加者とな
っているようです。
また、テーマに応じて製薬会社などと共催し、情報交換や地域連携にもつなげ
ています。

A出張講座 − 児島中央病院(岡山県)

地域の婦人会など外部から依頼されたテーマに応じて講演会を開催しています。
テーマをふくめ、日時や場所なども相談に応じて決定しています。

以上2例を紹介しましたが、他にも様々な取り組みがあると思います。身近な
医療機関だけでなく県外の医療機関における取り組みなども参考にしながら自
院にあった講演会開催へつなげてみてはどうでしょうか。
今回、講演会について述べましたが、上手に開催すれば効果的な自院の広報に
なりますが、一歩間違えるとマイナスな広報になる場合もあります。
ただ単に開催するというスタンスではなく、上記で挙げたような注意事項など
にも配慮しながら計画していくことをおすすめします。

文責:小田 耕平

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(3)病院経営力養成講座 収益改善編「目標設定編(DPC導入病院)」
----------------------------------------------------------------------
前回は自院の医療資源をフル活用するための目標設定について説明しました。

今回は、DPCを導入している病院の場合の目標設定について説明します。

現在、DPCを導入している病院は、1,284施設あります。病院数は8,728病院な
ので、約15%の病院がDPCを導入していることになります。

この1,284施設の疾患別の平均在院日数が入院期間Uとなります。患者さんが
入院するときに、疾患に応じて入院期間Uの在院日数になるように目標設定を
していきます。

逐次、入院期間Uと乖離していないか管理していく必要があるのですが、個々
のものだけを見ていると、大きな問題を見落としてしまうことがあります。

そこで、大切になってくるのが、外部の医療機関との比較です。

たとえば、二次医療圏における疾患別のシェア分析です。

平成20年(2008)患者調査の概況
→疾患別の推計患者数を出すことができます。

平成21年度 第3回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会
→医療機関別で疾患別の退院患者数、手術件数を把握することができます。

上記の推計患者数と医療機関別のDPCデータを用いることで、地域における自
院のポジションがわかります。

強みであると思い込んでいた診療科が、それほど強くなかったり、件数が少な
いにも関わらず、高いシェアを握っていたりするのはよくあるることです。

まず、今後、増やしていくべき患者層を特定して絞り込んだうえで、実際に入
院期間Uとの乖離状況を確認することです。問題があれば、クリティカルパス
の見直しを行ったり、医師への入院期間Uの情報提供体制を強化するような対
応が必要となります。

文責:木村 晃久

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*メルマガに関するお問合せは、リアルメディカル出版局

*バックナンバーは、以下のURLにてご覧いただけます。
             < http://www.realmedical.co.jp/magazine/ >

*メルマガの登録・解除は以下のURLにてご自身でお願いします。
 < http://www.realmedical.co.jp/000004.html >

*転送は自由です。どんどん転送してお知り合いにお奨めください。
ただし、引用される場合は発行人までお申し出ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元: 【医療を文化ととらえ共に育む】
リアルメディカル株式会社 出版局
http://www.realmedical.co.jp/
magazine@realmedical.co.jp
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町36-6 ワールド宇田川ビル6F
TEL:03-5428-4932 FAX:03-5428-4931
〒564-0052 大阪府吹田市広芝町4-1 江坂ミタカビル5F
TEL:06-6369-6212 FAX:06-6369-6202
〒781-8122
高知県高知市高須新町2-1-38 松栄ビル2F
TEL:088-854-6220 FAX:088-854-6221
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━