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2005年09月12日

【医療経営の王道】リアルメディカルニュース vol.11

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第11号━2005/09/12━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
■■      〜これだけで医療経営が変わる!質が変わる!皆が変わる!〜
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  発行者サイト:http://www.realmedical.co.jp/

(1) ごあいさつ
(2) 【特集】病院のIT化    レセコン大好き
(3) 医療経営の王道      個別目標の管理方法
(4) 個人情報保護Q&Aコーナー
(5) おすすめ情報
(6) 編集後記
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(1)ごあいさつ
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こんにちは、医療経営の王道を探求している内田です。

唐突ですが、実は私は伊達メガネなんです。
最近ある理由からコンタクトをするようになったのですが、
家族から不評なため、伊達メガネという着地点にたどり着きました。
サラリーマン時代にもコンタクトを数日間だけしていました。
装着初日、上司から「いらっしゃいませ!」とお客さんと勘違いされて・・・。
どうも顔の雰囲気が全然違うらしいのです。

なぜこんなことを書いたかというと、そういえば私自身のプロフィールの紹介が
あまりにも少ないことに気付いて、まずは顔の話をさせていただきました。
この内容だけでは、余計に?マークが増えただけと思いますので、
なるべく早く、自己紹介できるページを用意して弊社WEBサイトに掲載しますね。

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(2)≪特集≫ 病院のIT化
         ■〜 レセコン大好き 〜■
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■え?大好き?

 変なタイトルで申し訳ありません。
 でも、これくらいの情熱があれば、レセコンが経営の救世主に生まれ変わります。

 コンビニ各社も、リアルタイムで送信されてくるPOSレジの集計情報を使って、
 戦略上、最も重要な意思決定をしているんです。

 ということは、自院の経営戦略・戦術にもレセコン情報が大活躍できるはず。
 「言われなくても、いつもレセコンから沢山の情報を出力して使っているよ」と
 ご意見をいただきそうですが、総括的な情報だけでなく、よりピンスポット的な
 情報も大いに役立つんです。

 真夏にホカロンって話、聞いたことありますか?
 あるコンビニの本部スタッフが、真夏にもかかわらず、「ポツ・・・」と1個だけ
 売れたホカロンのデータを見て「どうしてだろう?」と考えたのが始まりです。
 調べてみると、クーラー対策としてOLさんが購入していたんですね。
 それで「真夏にホカロン」キャンペーンをやって、売上急増したそうです。
 たった一品目のたった一個の販売数から、ここまでやり遂げられたのは感動です。

 この例は、ニッチだけど確実なニーズを発見する話ですが、
 医療経営の場合は、より普遍的なニーズやシーズを見つけることができます。
 ここでも適正医療を追求するのが目的です。その目的からブレることなく、
 収益改善するヒントが、レセコンの情報に含まれているのです。

 何だかワクワクしてきませんか?
 そのうちきっと、あなたもレセコンが大好きになりますよ。

■どんな情報が得られるの?

 いろんな情報が読み取れますが、何もかもお伝えするわけにも行かないので
 ここでは一例を示しますね。詳しくは、直接お問合せください。

 ご存知の通り、レセコンに入っている病名は、保険病名です。
 医学的には、あるいはICDコーディングなどの観点からは物足りない情報ですが、
 経営的には非常に価値のある情報です。

 あなたの病院には、どういう病名の人が何人いらっしゃいますか?
 主病名だけでなく、副病名もカウントして、全体の疾病構造を把握します。
 そうです、疾病構造がこれで分かるのです。

 疾病構造の経年変化とか、主な疾病が何か?その患者数は?  etc.
 こういうことが分かるわけです。
 繰り返しですが、あくまで一例です。

■パレートの法則

 以前にも書きましたが、院外マーケティングより、院内マーケティングが
 面白いといったのは、こういう部分です。

 院外の診療圏にどれだけの見込み患者さんがいるのかも重要ですが、
 既に通院・入院されている患者さんの情報を整理分析すると、
 直接的な経営のヒントが見つかります。

 パレートの法則はご存知ですか?別名2:8の法則と呼ばれています。
 「20%の事象で、全体の80%をカバーしている」
 「トップ20%のセールスマンが、80%の売上を稼ぎ出している」
 という法則です。

 あなたの病院にもパレートの法則が、ごろごろ横たわっています。
 疾病構造を見れば感じると思います。
 世の中、沢山の疾病があるはずですが、いくつかの疾病だけで、
 大部分の患者さんをカバーしていると思います。いかがでしょう?

 とういことは、主たる疾病に対する医療資源の投下方法を適正に管理すると、
 多くの患者さんにとって満足できるサービスが提供できることになります。
 つまり、適正医療をするために、スタッフの配置、機器の稼動なども
 主たる疾病に関する管理をきちっとすれば、経営の8割に貢献できると言えます。


■機会損失

 他にも沢山の情報を読み取ることができます。

 経営改善の順序としては、

  P. 何かを読み取り、対策を考える
  D. 対策を打つ
  C. 効果を確認しながら、新しい課題を見つける
  A. さらに改善を進める

 というPDCAのサイクルが望ましいですね。

 この中で、一番難しいのは「何かを読み取る」部分です。
 別の言い方をすれば、「課題探索」です。

 何が課題なのか?  正しい視点が必要です。
 上の話は、パレートの法則という視点で情報を読み取る、ほんの一例です。
 そうすると、20%を適正管理すれば80%の改善が見込めます。

 他に、機会損失という視点で情報を読み取れば、
 本来の自院資源で、どこまでの医業収益が可能なのか?という試算と
 それと現実との乖離が明確になります。
 そして、原因は何か?という機会損失のポイントが見えてきます。

 一般のレセプト診断では、レセプトが通るか通らないか?というチェックが
 多いように感じますが、これだと粗探し的な印象が強いですよね。
 しかし、機会損失を測定し、そのポイントを探り当てるのであれば、
 大いに意味のある診断だといえます。一度、やってみませんか(^^)

 レセコンデータを定期的に読み取れるようになれば、
 対策後に、機会損失が減っているのも確認できます。
 ぜひ、レセコンを大好きになってくださいね。


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(3)医療経営の王道

   今回のテーマ : 個別目標の管理方法

   ★王道って、コロンブスの卵?いえいえ、それがベーシックな解決策です。
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■おさらい

 前回まで、経営課題の全貌から、個別目標・部門目標に落とし込むという話でした。
 それだけでは、課題と目標が錯綜して収拾がつかない。あるいは、狙いを絞った
 効果的な対応ができないと思います。
 そこで今回は、この悩み整理する方法のお話です。

■ステップ1

 今号の特集「病院のIT化」で説明したように、パレートの法則に則って考えます。
 経営課題の全貌が分かっているのですから、そこから「主たる課題」を絞ります。
 出来るだけ大きな改善に結びつく課題を選ぶことにします。
 
 どうやって、その様な課題を見つけるのか?
 それも、特集でご説明した通りです。

   ・疾病構造の大半を占めている主要疾病に関る課題
   ・機会損失の主要部分

 こういう課題に的を絞ります。

■ステップ2

 一つの課題に対して、院内全体の「対策の流れ」を考えましょう。

 入院患者さんに適正医療を公平に提供できていないことが判明した場合、
 例えば、

   ・リハビリ総合計画に抜けがあった
   ・薬剤指導が全員に出来ていない

 こういう時には、以前も書きましたが「旗振り役」が状況を整理してください。

 とどのつまり、一人一人の患者さんに対して、医療資源が公平に提供できているか
 管理できれば良いわけです。

 各部門で個別に目標設定をすることは必要ですが、管理まですると、
 また漏れや抜けが生じます。
 こういう時にこそ旗振り役が、全体の潤滑油になって走り回るのです。

 簡単な帳票例ですが、こういうのはいかがでしょう?

  ◎◎病棟 2005年9月管理表
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  お名前  主治医  主病   総合計画  薬剤指導
  -------------------------------------------------------
  Aさん  田中先生 ○○   不要    要
  Bさん  田中先生 ○○   要     要
  Cさん  大西先生 ○○   要     要
  Dさん  大西先生 ○○   不要    要
  Eさん  山本先生 △△   不要    要
  Fさん  山本先生 △△   要     要
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 先生が予め、オーダーを「要」「不要」という形で出していただきます。
 ここでも旗振り役が大活躍ですが、「この患者さんは、どうしましょう?」と
 先生に聞いて回ることも重要です。

 後は、各部門で「要」となった部分に、自部門の医療資源を提供します。
 実施完了のマークでも書き込んでおけば、漏れなく実施できるでしょう。
 こうすることで、各部門での目標設定が、病院全体を一気貫通するイメージで
 有機的に結びついてきます。


■注意

 上の管理帳票の例は、極めて単純化しています。
 一ヶ月分を日計管理しても構いませんし、週計管理しても構いません。
 また、管理項目も、これに限りません。
 自院の管理しやすい方法の帳票に工夫をしてみてください。


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(4)個人情報Q&Aコーナー
                                    編:実践医療経営コンサルタント 重廣 健

    今回は、院外および第三者への情報提供編・その3
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Q1 警察から患者に関する問い合わせを受けた場合どう対処すればよいのか?

A1 令状がある場合は全面的に協力しなくてはならない。令状がなく、任意の場合
   は、協力する義務はない。任意協力でありながら、同意を得ずに提供した場合
   は損害賠償を請求される可能性がある。
   任意の情報提供は、刑事訴訟法第197条第2項(捜査に必要な取調べ)という法的
   根拠があるため、本人の同意を得ずに提供しても、個人情報保護法の例外規定
   に該当するため、違法にはならない。ただし、場合によっては、当該本人から
   の民法に基づく損害賠償請求等を求められる恐れがあるので、個別の事例ごと
   に判断する必要がある。事前承諾をとることが可能であれば取ることが望まし
   い。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q2 救急車で搬送されてきた患者に関する、警察からの問い合わせに答えてよいの
   か?

A2 患者の同意がなければ、原則として対応してはいけない。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q3 救急車で搬送されてきた患者について、救急隊からその後の経過に関する問い
   合わせがあった場合、回答してよいか?

A3 救急隊への回答は、患者の同意が必要。

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(5)おすすめ情報

    お奨めセミナー、お奨めWEBサイトなどを紹介するコーナーです。
    自分たちで開催するセミナ−を案内して欲しいという方はご一報下さい!
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(6) 編集後記
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レセコンは、コンピュータの黎明期には、既に研究が始まっていた電算機ですね。
なので、古い設計を引きずっているものもありますが、そこには、先人の工夫が
感じられます。まさしく温故知新。それも経営改善の始まりですね。

まぁ、こんな感想を持つのは、元システム屋だったせいでしょうか・・・

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発行人: 経営革新コンサルタント 内田敏行
     リアルメディカル株式会社 代表取締役

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