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2005年09月02日

【医療経営の王道】リアルメディカルニュース vol.10

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第10号━2005/09/2━━
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■■     医療経営の王道 リアルメディカルニュース
□□      ≪TCCT≫ Total Care Coodinate Team による経営改善
■■      〜これだけで医療経営が変わる!質が変わる!皆が変わる!〜
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  発行者:経営革新コンサルタント 内田敏行 リアルメディカル(株)代表取締役
  サイト:>>http://www.realmedical.co.jp/

(1) ごあいさつ
(2) 【特集】病院のIT化    電子カルテ
(3) 医療経営の王道      全体課題から個別目標へ
(4) 個人情報保護Q&Aコーナー
(5) おすすめ情報
(6) 編集後記
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(1)ごあいさつ
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こんにちは、医療経営の王道を探求している内田です。

皆様のお蔭で、発行部数も伸びてきました。本当に有難うございます。

ますます、気持ちを引き締めて価値ある情報を発信し、
全国の医療機関さんに少なくともお一人は読者がいるようになればと願っています。
皆さん、どうぞ宜しくお願いいたします。

なお、今回からは、TCCTのコーナーを新たに特集コーナーとして
TCCTに限らず、色々な話題をご提供してゆきますので、お楽しみ下さい。


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(2)≪特集≫ 病院のIT化
         ■〜 電子カルテ 〜■
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■賛否両論

 電子カルテについても、色々なご相談が寄せられます。
 もともと私が、生産システムや通信システムの開発に携わっていた経緯もあって、
 システムは得意分野なのですが、ご相談いただいた時点で既に、

  「あ〜、これは大変やなぁ・・・」

 とため息をつく状況になっていることがほとんどです。
 そんな時、正直、逃げ出したくなります(^^;

 医療情報を、誰もが判読できる形で保存し、検索が簡単にできるという意味では
 非常に重宝しそうですが、それはあくまで「医療」そのものの話であって、
 「医療機関の経営」という観点では、あまり議論されていないと感じています。

 相談を受けた場合、「医療」のための情報システムとしては、私が意見できる
 立場ではありませんので、あくまで「医療経営」もしくは「システム技術」の
 観点で検討することにしています。

 この様に視点が違うと、同じシステムでも、賛否が分かれる場合があります。
 すでに電子カルテを導入されている、もしくは準備・開発中という場合は、
 今一度、

   (1) 医療のための情報システムとしては有意義か?
   (2) 医療経営に役立つ情報システムとしては有意義か?

 という異なった視点で再チェックしていただければと思います。


■損した!?得した!?

 損したか、得したか?こんな考えは良くないですが、でも気になります。
 システム開発は、お金掛かります。
 目には見えないですが、ビルを建築するのと似ています。
 構造物としては目に見えないので、目的やゴール、使い勝手、検収条件を
 十分に検討してから製作しないと期待通りのものができません。
 (この部分が大きく欠落しているように感じます)

 期待通りに動いて、期待通りの目的が達成されれば効果を発揮しますが、
 そうでなければ、大変な損をしてしまいます。

 仮に、総開発費 1億円だったとします。
 概ねざっくりした金額でいうと

  年間リース代金 約2400万円
  年間保守料    約300万円〜500万円

 つまり、年間3000万円近いコストが発生することになります。
 しかも端末として使うパソコンは、法定耐用年数は4年ですが、
 診察室で酷使すれば、2年もすれば買い替えになるでしょう。
 そして5年もたてば、本体システムも古くなってしまいます。

 このコスト以上のメリットが、
 「医療」「医療経営」の面で生み出せるなら得をしたことになりますね。


■実際は・・・

 さらに、追加や改造が頻発して、納期遅れ・追加費用という事態になっている
 場合もあります。
 しかも、システムを運用するための常駐要員が必要になる場合もあります。

 以前にも書きましたが、「人が人を診る」という医療の基本スタイルは
 電子カルテが普及しても変わらない部分です。
 その基本スタイルの中身を濃くするためにこそ、電子カルテが効力を発揮すべき
 と考えます。
 従いまして、先生が入力に必死になって、あるいは画面とニラメッコに必死に
 なってしまうようでは、本筋から外れてしまったシステムだといえます。

 そうならないためにも、ぜひ今一度、
 どういう点で有意義なのか?どうすれば有意義になるのか?をご検討いただければ
 と思います。


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(3)医療経営の王道

   今回のテーマ : 全体課題から個別目標へ

   ★王道って、コロンブスの卵?いえいえ、それがベーシックな解決策です。
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■おさらい

 前回、経営課題の全貌をつかんでいただいたと思います。
 ところが、具体的にどうすればいいのか?それが悩みどころだと書きました。
 今回は、この悩みどころを明確にする方法のお話です。

■ステップ1

 病院全体の課題が分かったとして、次にするべきことは何でしょうか?
 当たり前じゃないか!と言われそうですが、

  ・部門単位の課題に落とし込む

 ことになります。さて、実際に各部門単位の課題に落とし込めますでしょうか?
 全体の課題がハッキリしているのに、部門単位になると、何故かぼやけた課題に
 なっていませんか?

 そうなんです。
 いざ、細かく部門単位の課題設定をしようとすると、ついつい責任が分散され
 自部門がどうやって病院全体の課題に向き合うのか?がぼやけてしまうのです。

 ここがコンサルティングをさせていただく時にも注意を要する部分です。
 本来こういう過程を、キッチリお手伝いするのですが、今回は、ざっくりとですが
 お伝えしたいと思います。

    (1) 病院全体の課題を解決するために成すべき事の洗い出し
            ↓
    (2) 各部門ごとへの割り振り
            ↓
    (3) それを各部門での関連するキーワードで表現する。

     (例)
     --------------------------------------------------
     病院全体の課題       地域連携室では
     --------------------------------------------------
     紹介率があがらない     経過連絡が不十分  など
     --------------------------------------------------

 実際には、個別の事情や状況を判断しながらお手伝いさせていただきますので
 もっともっと沢山の課題一覧になります。


■ステップ2

 これも、「おいおい、これも当たり前じゃないか」と言われますが、

  ・対策と目標設定

 を明確に決めることです。

 洗い出した課題を解決する対策、もしくは解決できそうな対策を考えてください。
 直接的な解決手段がなくても構いません。何か役に立ちそうなアクションを探し
 ましょう。

 そしてその次が最も大切かもしれません。
 対策(アクション)を定量的な目標設定に置き換えます。
 先の例ですと、う〜ん、例えばですが、

  「毎日○○件の連携先に、紹介患者さんの経過状況を報告する」

 という数値目標に置き換えます(あくまで例です)。


■注意

 実は、上の例では、どういう手段で経過状況を報告するのか?が抜けています。
 こういう事も、キッチリ決めるべきですが、ここでは省略しています。

 また課題設定と目標設定が間違っていれば、単なる掛け声で終わってしまいます。
 何だか分からない未来に向かって、ただ単にがむしゃらに走ることになります。
 適正医療を実現できて、かつ病院経営(収益)に役立つ課題設定でなければ、
 従業員だけでなく、患者さんのモチベーションも下がりますよね。

 このメルマガを読まれている方は、医療機関の経営に関与されている方が大半だと
 思うのですが、決して、上の作業をお一人でしないでくださいね。
 各部門の課題設定と目標設定に関しては、皆の協力が必要です。
 また、コンサルタントが押し付けた画一的な目標設定でもいけません。
 うまく、皆から引出した課題と目標が必要になってきます。
 以前、自力で解決すのは難しいとお話したのは、この様な理由もあるからです。
 不安な点があれば、一度ご相談下さい。


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(4)個人情報Q&Aコーナー
                                    編:実践医療経営コンサルタント 重廣 健

    今回は、院外および第三者への情報提供編・その2
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Q1 治験における同意についての対応は?

A1 治験については個別に患者の同意をとり、業者(製薬会社)からは、データの
   利用目的・方法・提供先・保管・廃棄について書面契約を結ぶ必要がある。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q2 セカンドオピニオンで次の病院に行く際に診療情報提供書への名前の記載は
   問題ないか?

A2 問題ない。氏名がなかったら本人確認できない。診療目的に不可欠。

   ────  ───  ───  ───  ───  ───  ───

Q3 後輩の医師が先輩の医師に症例を教えてくれと言われた場合、どう対応すべき
   か?

A3 診療目的であれば何ら問題はない。診療目的外の場合は本人の同意ということ
   が出てくるが、医療技術の進歩という大目的があるので開示行為はそれほど問
   題にならない。問題は、目的を問わず氏名、住所、顔写真が入った書類や電子
   媒体が散逸することで、書面等を渡すときは、個人名や顔写真を削除する。


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(5)おすすめ情報

    お奨めセミナー、お奨めWEBサイトなどを紹介するコーナーです。
    自分たちで開催するセミナ−を案内して欲しいという方はご一報下さい!
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┌──────────────────┐
│ スパイウェア駆除ソフト PC-Clean │
└──────────────────┘
 http://www.pc-clean.jp/
 スパイウェアとか、アドウェアってご存知ですか?
 知らぬ間にインストールされて、密かに情報を収集するソフトのことを言います。
 このスパイウェアを駆除してくれるソフトが無償でダウンロードできます。
 全世界で500万人以上に利用されているソフトの日本語バージョンが発表された
 ので、ここでご紹介させていただきます。


┌──────────────────────┐
│ できる・わかる医療経営塾・トップセミナー │
└──────────────────────┘
  講師:  代表取締役社長 内田敏行

 テーマ: 病院経営の基本と収益改善ポイント
       すぐに実践できる、具体的な収益改善ポイントをお教えします。
       (今回は、7月に大阪・福岡で開催した内容と同じです)

 会期:  大阪 9月13日(火) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)
      福岡 9月15日(水) 13:30〜16:00 (受付13:00〜)

 会場:  大阪 梅田スカイビル22階 スカイビル会議室 Fルーム
      福岡 林英ビル1階 Aホール

 会費:  12,600円(税込)  各会場とも定員50名です。

 詳細:  詳細情報とお申込みに関しては、以下のURLをご覧下さい。
            http://www.realmedical.co.jp/seminar/


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(6) 編集後記
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先生は疲れています。
特集コーナーの電子カルテのところで、この事も書きたかったなぁ。
自動化が進むといいながら、実はドクターにドンドンしわ寄せが言ってる気がします。
そして最終的には、患者さんと向きあう比重が減るのでは?と不安になりますよね。

何とかして、ドクターへの負担を生じさせずに、病院経営を改善させられないか?
何とかして、現状の体制を無理に変化させずに、病院経営を改善させられないか?

今後も、その想いから生まれたノウハウを少しでもお伝えできればと思います。
皆さんの応援をお待ちしています→いろんな人に紹介してくださいってこと(^^;

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