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2009年09月28日

H.A.C.S 〜広報機能〜 3

 医療機関の広報には患者さんのニーズに合わせた方法と自院の『売り(特徴)』を売り込む方法があることを前述しました。しかしこれは不特定多数を対象にした広報活動にほかなりません。広報の効果を高めるためには対象と内容を特定していく必要があります。
簡単な式で示すと以下のようになります。


  [ 広報の効果 ]=[ 対象の濃度 ]×[ 内容の濃度 ]

    ※  対象の濃度:内容に対する対象の親和性の高さ
    ※  内容の濃度:対象に対する内容の親和性の高さ

 広報の対象は患者さんですが、患者さんと一口に言うことはできません。年齢・性別、抱える疾患、生活スタイルなど様々です。これらの要素を元にできるだけ細かくグルーピングを行いますが、広報する内容に応じて柔軟に変えていく必要があります。『糖尿病教室の開催』を広報するのであれば、「血糖値が高い」「生活習慣病のリスクが高い」「遺伝的な背景がある」「中高年の男女」などの条件で絞り込むことができます。こうすることによって余計な広報活動を避け、効果を上げることができます。また対象を限定することによって、内容も絞り込むことができます。先の例で言えば『第2回糖尿病教室の開催』に当たって、「第1回への参加者」という条件を付加することによって前回を踏襲したより踏み込んだ内容にすることができます。内容と対象は、一方を絞り込めばもう一方も絞り込めるという相互関係にあります。

One to One マーケティング

 対象を絞り込むためには、患者さんのことをより知る必要があります。
 内容を絞り込むためには、自院のこと、患者さんのニーズを知る必要があります。
すなわち医療機関は患者さんのことをより知るための活動を行わなければなりません。
 日々の診療において患者さんの治療に必要な情報は集められていることでしょう。これに+αとして、グルーピングに役立ちそうな情報や患者さんのニーズを収集・蓄積していくのです。“ One to One マーケティング ”という考え方が役に立ちます。
 One to One マーケティングとは、患者さん一人ひとりと一対一の関係を築くことによって嗜好やニーズを汲み取り、適したサービスを提供していくという手法です。患者さんとより親密になることで、内なる情報・ニーズを引き出すことができます。これにより、広報の内容に親和性の高い対象を選別することができ、また対象に親和性の高い内容を選択することができるようになった結果として、広報効果はより高いものになります。
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コンサルティングチーム主任研究員 都司博直

2009年09月11日

H.A.C.S 〜広報機能〜 2

 自宅に配達される新聞には多数の広告チラシが入っているものです。チラシを見るのを日課にしている、あるいは見ずに捨ててしまうなど様々でしょう。
 チラシ戦略としては、如何に消費者の興味(≒ニーズ)を惹き付けることができるかがポイントとなります。しかしながら不特定多数を相手にするわけですから、おいそれとはいきません。戦術としては大きく2つが考えられます。ひとつは消費者のニーズに合わせることです。スーパーマーケットを例に考えてみると、クリスマスにはチキンやケーキを、4月初旬にはごちそうメニューやお花見メニューなどがこれにあたります。つまり、時々の消費者ニーズに応じた商品を提案するということです。
 ふたつめは自社商品にこだわることです。不動産や自動車などがこれにあたります。つまり少ないニーズの掘り起こしです。0ではないニーズに対して広く活動する必要があります。効率だけを考えると後者はあまり良いとは言えません。しかし前者に比較して競合が少ないこと、ニーズとの親和性が高いことなど有利な点もあります。

医療機関の広報

 医療機関の場合、広報の方法は医療法により厳しく制限されています。スーパーマーケットや不動産屋さんのように宣伝することはできません。しかしながら、先出の2つの戦術を活かすことはできます。

@患者のニーズ
  →季節性
   夏季のプール熱や冬季の感冒など、季節によって流行する疾患は
   異なります。季節毎に疾患と予防・注意点などを題材に
  →年齢構成
   高齢者の多い地域ならば生活習慣病など、ベッドタウンならば早朝・
   夜間の診療(時間外診療)などを題材に
A自院の商品
  →専門性
   手術や内視鏡の成績・実績、透析治療など
  →医療機器
   CT、MRI、PET-CTなど
  →自由診療
   美容成形、レーシック手術、インプラントなど

 年間の患者層(疾病分布)を分析すること、自院の特徴を見直すことで 2つの戦術を活かす武器が明らかになってきます。
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コンサルティングチーム主任研究員 都司博直