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2010年01月18日

H.A.C.S 〜自院を知る〜 2

 『敵を知り己を知らば百戦して危うからずや』(孫子)
 前回に引き続き、どれほど“己”を知っているか確認していきましょう。患者層を知ることと同じくらい重要なことは「自院の戦力」を知ることです。戦力というのは『人力・物力・気力』の三つのことです。わかりやすく言うと「人(職員など)・物(設備、備品など)・気持ち(モチベーション、忠誠心)」です。これらの三つの力は知っているだけでは役に立たず、正しく理解している必要があります。つまり職員の顔と名前を把握し、備品台帳を整え、頑張ろうと掛け声をかけているだけではだめなのです。「自院の戦力を知る」=「三つの力を理解する」とはどういうことなのでしょうか。

自院の戦力を理解する


 医療機関の開設あるいは施設基準の届出には、医師・看護師をはじめとする医療従事者について一定数の基準を満たす必要があります。では、ある基準を満たす二つの医療機関がある時、この二つの医療機関の戦力は等しいと言えるでしょうか。表面上(届出上)は同じ基準を取得しているわけですから差はないはずです。しかし実際には届出に関する医療従事者の年齢・経験・勤務形態、医療機関自体の構造や有する設備、職員のモチベーションなど様々な要因によってアウトカム(=収入)には差がつきます。
 このことを「自院の戦力を理解する」に置き換えると、施設基準の届出の状況を知っているだけでは効果的な収入増には結びつかず、相互補完的に三つの力を発揮できるようにマネジメントする必要があるのです。マネジメントするためには理解しておく必要があることは言うまでもありません。
 いくら増収につながる可能性がある施設基準であったとしても、担当する職員の技量・やる気を無視してしまっては、効果は上がりません。むしろ特定の職員に負担がかかるようなことになれば離職に至ることも考えられます。患者様や職員の動線を考慮せず、患者数を増やせばどうなるでしょうか。不要な混雑や長時間にわたる移動を強いることになるかもしれません。
 三つの力は三次元(x軸、y軸、z軸)のベクトルを構成しています。これらの交点が自院の現状、つまりは自院の戦力となります。
 次に三つの力を理解すると何が得られるでしょうか。それは「方向」と「到達点(=量)」、すなわち自院のベクトルです。これは<現状>と<潜在的な能力>あるいは<投資により期待される能力>を比較することで求めることができます。
 まずは「自院の戦力」を理解することから始められてはいかがでしょうか。
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コンサルティングチーム主任研究員 都司博直