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2009年12月03日

H.A.C.S 〜 マーケティング 〜 3

 前回、マーケティング目標として「アクセスを向上する」ことに触れました。これは言い換えれば、患者さんに「行きやすそうだな」と思わせることでもあります。自院までの地図を載せる場合を考えてみましょう。
ポイントは、
  ・全体的な見やすさ
  ・ランドマーク(目標物)
  ・公共交通機関との位置関係
  ・道路、建物との位置関係
  ・自院施設の配置
  ・駐車場、玄関・時間外入口の位置
などをあげることができます。これらすべてを同時に充たす必要はありませんが、それぞれの視点で見直すことは必要です。忘れられがちなのは「自院施設の配置」と「駐車場、玄関・時間外入口の位置」です。大きな病院であれば棟がいくつかある場合があります。外来はどこなのか、入院はどこなのか迷わないような工夫が必要です。駐車場や入口がわからず、自院のまわりをぐるぐる廻らせるようなことがあってもいけません。“アクセス”とは施設内の目的の場所まで到達することを忘れてはいけません。
 最近ではインターネットの地図サービスを利用している医療機関も見受けられるようになってきました。これならば拡大・縮小も思いのままなので、初めて訪れる際にも助けになるでしょう。一方、地図サービスの画面をそのままコピーした印刷物にも出会います。これらの地図の場合、細かく表示されすぎていてかえって分かりにくくなることがあります。提供する媒体に合わせた地図を考える必要がありそうです。

マーケティングエリアの設定

 患者さんの意識上の距離を縮める「アクセスの向上」ですが、同時に考えておかなければならないことがあります。それは患者さんの居住する地域です。同じ町内に住む患者さんと近隣市町村に住む患者さんを対象にするのとでは採るべき方法が異なります。先の地図を例に考えてみます。
 近隣市町村の患者さんを対象とするのならば、「ランドマーク」、「公共交通機関」などとの位置関係に注意を払う必要があります。ランドマークといっても地元の人しか知らないようなマイナーなものでは困ります。近隣市町村に鳴り響いた、共通認識のあるものでないといけません。自院と道路、駅などとの位置関係にも注意を払いたいものです。東西南北がわかるだけでも見やすさは格段に向上します。駅やバス停からの距離、目安となる移動時間などを付記するとより分かりやすくなるでしょう。
 同じ町内の患者さんではどうでしょうか。すでにおわかりのこととは思いますが、よほど広いか複雑な地形の町内でないかぎり、地図自体が必要ないかもしれません。つまり最適な地図を提供するためにはマーケティングエリアをあらかじめ設定し、必要な情報を洗い出す必要があります。「大は小を兼ねる」という言葉があります。より詳細な情報地図を用意しておけば、遠方にも近所にも対応できると解釈できそうです。しかしながら、詳しすぎる情報は患者さんが理解する上で障害となることがあります。またそんな遠方から来た患者さんが、はたして常連患者さんとなるのでしょうか。
 説明が後先になりますが、マーケティングエリアの設定は広報(案内地図)の対象エリアを決めるというより、自院の診療機能に応じて決めるものなのです。かかりつけ医(家庭医)であれば町内+α、専門科の機能を売りにしているのであれば市町村+α、高度医療を提供しているのであれば都道府県+αなどが目安になるのではないでしょうか。また自院の患者さんの住所地をマッピングすれば、簡単にマーケティングエリアを知ることができます。
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コンサルティングチーム主任研究員 都司博直