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2009年06月26日

シリーズ 公費負担医療制度 〜誰が患者さんに伝えるのか〜

 前回の「患者と公費負担医療制度」で、医療機関が積極的に患者さんに対して公費負担医療制度についてお伝えすることが、患者さんに好印象を抱かせ、満足度が増し、結果的に患者確保につながることを説明させていただきました。こういった「医療機関の顔」であるとも言える重要な役割を担うポストは一体どこなのでしょうか?
 それは、医療機関を受診した患者さんを最初にお迎えし、最後にお見送りする医療事務スタッフではないかと考えます。なぜなら、医療事務スタッフは受付で最初に患者さんとお話をして、一番早く患者さんの情報を取得することができる一方、最後に会計で料金の計算や、場合によっては支払の相談に乗ることもあります。いかに患者さんに気持ちよく診察してもらい、正しい料金がいただけるかは医療事務スタッフにかかっていると言っても過言ではありません。カルテの病名から公費負担医療制度の該当疾患であることがわかったり、計算してみると医療費が高額になったり、会計の計算時には“気づき”のポイントがたくさんあります。また、前述のとおり会計時には患者さん側から「医療費を支払えない」といった相談を受けることもあるわけですから、最初と最後に患者さんと接する医療事務スタッフは、大変重要なポジションにあるのです。

医療事務スタッフの実情と勉強会の必要性

 ひとことで患者さんに公費負担医療制度について理解していただくと言っても、説明する側に制度に対しての知識がなくてはなりません。また、患者さんから見れば、ベテランも新人も同じ「病院の職員」であるわけですから、どの医療事務スタッフに聞いても説明できるという体制を整えておかなくてはなりません。
 しかし、これまで述べてきましたとおり、公費負担医療制度は法律によって給付の内容や手続きが異なり、大変複雑なしくみになっています。そのため、「担当ではないから」とか「制度によってさまざまでよくわからない」からといった理由で十分勉強できていない医療事務スタッフがいることが実情です。これでは、患者さんに正しく伝え、十分な理解を得ることはできません。
 全ての医療事務スタッフに公費負担医療制度について知識を深めてもらうためには、それぞれの医療機関での勉強会が必要です。まずは医事課長などのリーダーが率先して開催してみてはいかかでしょうか。制度は多岐に渡り、改正も目まぐるしいため、定期的な開催が欠かせません。

コンサルティングチーム 大野未来